うほぅ

糞日記

明治安田生命J1 浦和レッズ 4-1 FC東京

fudbal

天王山。
優勝するために直接対決でレッズを叩いておきたいFC東京は、３トップにして早めに最終ラインにプレッシングをかける。しかし練度が高い森脇・槙野・阿部に、世界にすらほとんどいないレベルの足下を誇るGK西川までつけたビルドアップ部隊に対してハイプレスが通じるのか？という問題にスタートから直面する。前半５分、那須なら大丈夫だろ…と思ったわけではないと思うが、その那須からのフィードを降りてきた興梠が左シャドーにフリックして前を向き、リターンを受けてボックス左脇で待つ宇賀神にパス。宇賀神がゴールエリアに速いクロスを入れるとレッズの両シャドーがニアに飛びこんできて、右の李が触って今季初ゴール。あっというまに浦和が先制に成功した。
その後も同じ展開が続き、FC東京の前３枚がなんとか奪おうと前からプレスをかけていくわけだが、右バックの森脇・右ワイド関根を中心にシャドーとボランチを加えた４枚ぐらいで簡単にかわして右サイドからアタッキングサードに侵入できてしまう。しかもここで関根が前を向いて持った瞬間、浦和の１トップ２シャドーのうち２枚は裏に、１枚はライン間に落ちてボールを受けようとしているようで、FC東京のディフェンス４枚はラインを下げざるをえず、かといってプレスをかわされてうわずっている中盤は捕まえきれず、右ワイドの関根から中央にスパっと横パスが入ってしまう。この落ちる１枚をFC東京DFが飛び出して潰さないのなら、中盤が下がって対応するしかなく、そうすると今度は下がり目で柏木を使われてしまうので、柏木を潰しに前線の選手が下がらないと行けなくなり、そうなると３トップでのハイプレスというプランはどうだったのかという話になってしまう。
ともあれ右サイドから左サイドへの通信路をレッズはバイタル経由ルートで確保できている状況で、ここを自由に通行されたらFC東京はなすすべがなく、前半の早い段階にも関わらず、誰が悪いとかではなく、もはやチームとして死んでしまっているぐらいの印象を受けた。
フィッカデンティ監督は前半28分にインサイドハーフの８番を下げて高橋を入れ、4-4-2に修正することによりレッズがチャンスを作る頻度は減ったものの、FC東京がボールを奪っても前線の武藤（日本代表のほう）にボールが入った瞬間、森脇が大喜びで潰しにくるので、攻撃の形がない。前半の終わりごろにはやはり興梠経由で左ボックス脇の宇賀神に届き、レッズの真ん中３枚とFC東京ディフェンダーがニアに殺到する中、宇賀神はファーにゆったりとしたクロスを選択。颯爽と逆サイドから現れた関根がフリーで流し込んで２点目。
どっちの勝ちも望んでいない俺は引き分けろ引き分けろ光線をテレビに向かって発していたが、ミシャ監督に美しくたくましいフットボールを見せつけられた今、正直FC東京が追いつくビジョンが見えない。
後半も早々、レッズは右サイドを深々と破った関根からのクロスをニアに飛び込んだ「じゃない」ほうの武藤が合わせて３点目を決め、武藤対決でも１ポイントリードする。
３点のリードと前半の運動量からペースを落とした浦和に対し、徐々にFC東京がボールを持つ時間が増えてくるが、かなり球際に集中して守備しているレッズの5-4ブロックを崩せない。なんでFC東京の攻撃は中央に集中しているのか疑問に思っていたら左SB太田のクロスをあてにしているからのようで、後半29分、俺が戦術だとばかりに日本代表候補のクロッサーが気を吐く。左サイドからのピンポイントクロスに途中から入っていた前田がファー側から中央に飛び込み高い打点のヘディングで１点を返した。が、直後にレッズが右サイド高い位置でパスミスから失ったとき、すぐプレスをかけてボールを取り返した梅崎が、そのままエリア外右寄りからファーポストを叩くスーペルミドルを決めて４−１。これには早野さんも「今日は権田、きびしいの飛んでくるなー」と同情。クロスから奪われた３点についてもクロスを蹴った瞬間に終わったと思うレベルで完全に崩されており、このゴールと合わせて４点ともノーチャンスだからな。
前線の5枚の連動性に加え、後ろ6枚のビルドアップと守備の激しさがかみ合った浦和レッズ。まさにミシャ式の成功事例といった展開で、料理されたFC東京を見てください。とてもおいしそうでしょう。しかも前線の素材に代表選手は使っていません！今日はなんと！このサッカーをパッケージングして最近3-4-2-1が増えているというJ2の皆さんに販売いたします！と言わんばかりのワンサイドゲームとなったが、このJ1独走できるサッカーをACLでやれと言いたい。
ともあれ、4-1がファイナルスコアとなり試合終了した。レッズがどうも優勝するっぽいことには閉口だが、試合としては楽しく見れた。ラスト李くんが２対２のカウンターでドリブルでバイタルまで運び、両脇に選択肢がある中シュートを撃ってブロックされたシーンでは、蹴った瞬間「やっぱりな！」とか解説の早野さんが叫んでてワロタ。ストレートな発言で面白く、五輪代表の中島評も「そりゃボール持ったら良いと思いますけど…」と辛辣。