ポーカーチェイスメモ・序中盤 全ツッパ編
Hitbox 買ってスト5 とかヴァンパイアサバイバーをやったり Duolingo で英語勉強したりしててポーカーチェイスをしなくなってしまった。ポーカーの勉強は続けていて、40000字ぐらいメモがあってまったくまとまってないが、アップできるところはしといたほうがいいと思うので放出する。8月11日にはヨコサワプロに勝ったら 1000万円大会とかもあるしにじさんじから入ったポカチェ勢がファイナルテーブルに座ってたら面白いね。もっとポーカーが盛り上がってポカチェ勢が増えてノーリミットホールデムじゃない種目もポーカーチェイスに実装されてほしい。2-7TD とか stud8 とかやらせて。テキサスホールデム一本より絶対おもろいと思うなー。
この日記では基礎編から基本的な用語を説明しながら、読み物として上から順に読んでいったらポーカーチェイスをうまくプレイするためのテキサスホールデムの知識や感覚を思い出せるように書いていってるんだけど、本エントリ以降は内容がむずすぎて自分でも理解できてない点が多々あり、うまくプレイするというよりはうまぶってプレイするぐらいにしかなってない。あとで何度も書き直すかもしれん。
このエントリの内容
- ポットオッズ
- アウツ
- SPR
- 自然に全部ぶち込む
これまでの内容
- 序中盤はほとんどのハンドで降りる
- めちゃくちゃ強いハンドが来たら参加
- オープンできるなら 3BB、すでにされてたら 3bet
- 主導権を取ってフロップで CB
- あとは流れで
- 本当に強かったらベットする、弱かったらチェックでいい
- 序中盤で取られて凹んでもオールイン一回勝ったらひっくり返る。じゃんけん
例えばステ 5 なら最序盤は全員が 20000チップ、1BB=200チップなので 100BB 持っている状態で始まるが、時間経過でどんどん 1BB の価値が上がっていって、1BB=2500 チップになったら一人平均 8BB 、総量も合計 48BB までに減る。序盤 10BB 取られても最序盤は 2000チップに過ぎないから、22000 vs 18000 ぐらいしか差が開かない。そんなのは終盤では 11BB : 9BB の微差でしかなく、序盤で小さく取ったチップは最終的な勝敗にほとんど影響しない。
ランクマで 1位になるには最終的に対戦相手全員のチップを全部取る必要があるけど、ぶっちゃけ、このゲームのランクマでは終盤のオールイン合戦ができたらスムーズに全部取って勝てるので、序中盤は降りてたほうがいい。つまりポーカーをしなければしないほど初心者にとってはわかりやすく勝ちやすい。
これまでの内容の弱点
この極力ポーカーをしない打ち方は、初心者がランクマで生き残るという点ではかなり簡単に実行できて、AQ や JJ で打ちすぎるなどのミスがなければ 5位以下を避けやすい方法ではある。でも参加回数が少なすぎるし、たいてい参加したハンドで一回に 3~8BB 程度しか稼げない。なのでほぼ確実にチップが大幅不利な状況で終盤に突入する。そもそもめちゃ強いハンドがちょくちょく来ないと 30分何も参加できないことすらあって、最後飛ぶときの 1回しかショーダウンせず終わったりもする。安定して 1位を取れる戦法ではない。
しかも参加しなさすぎることがバレたら以下の対策をされる
- スチールを狙われる
- めちゃくちゃ強い手札はめったに来ないのでスチールを受けられない。スチールを仕掛ける側にとっても、もしコールや 3bet で返されたらそれは強いってことだから降りる方向でいい。プレミアムハンドでしか参加しない相手にはそれでもスチール収支プラスになる
- オープンしても干される
- 普通に考えると、AA-QQ, AJo+ が来ないと入ってこないやつなんて誰も相手にしたくない。プリフロップでフォールドが安定
- 全員に降りられたらせっかく AA が来てもブラインド料+アンティの 2~3BB しか稼げない。pot 取るのが一周に一回未満になると干上がってくる
まだランクマでは 5人しか相手がいないからたまたま運が良ければそんなやり方でも 1位になれるが、トーナメントで 1位になるには最終的に数百人いる全参加者のチップを全部取らないといけない。また、リングゲームをやるなら小さく取っても仕方がない。相手から少なくしかチップを取れなくて、かつ相手に多く取られるなら、このゲームのランクマで勝っててもポーカーがうまいとは言えない。
多くチップを取れたらポーカーがうまい
逆に言うと、ランクマやトーナメントを安定させるには、終盤に影響を与えるほどの優位を序中盤で築く必要がある。そのためには参加したハンドで相手のチップを一気に全部ないし大半を取るような打ち方を序中盤からしなければならない。
ポーカーのルールは相手と同じぐらいリスクを負わないとチップを取れないようになっている。にもかかわらず、結果を大きくプラスにできるということは、自分は相手のチップを大きく取って、かつ相手に大きく取られる状況は回避しているわけで、それを安定して続けられる人というのは明らかにすごいことをやってる。
「相手チップの全部ないし最大を取る方法」を常に考えながらプレイすることが、「うまくポーカーをする」ということ。というわけで、本エントリでは相手から最大を取ることを狙いつつ相手の最大は回避することを目指して戦う方法を考える。もっとうまぶっていけ。
最大を取るにはオールインしかない
結局、オールインなんですよね……。
- 取りたいものは相手のスタック全部
- それを取るためには相手に全部 pot に入れさせなければならない
- 入れさせるためにはまず自分が全部入れなければならない
- それを取るためには相手に全部 pot に入れさせなければならない
最大を取るにはオールインして相手がコールしてくれたらいいわけだが、序盤 100BB をいきなりオールインしても、ほとんどの場合、相手にされず降りられる。少ししか稼げない。しかも、相手が自分より強い場合、コールされ負けて全部取られる。多くの場合、自分か相手かどっちが強いかはわからない。なのになぜ相手は自分より強いと確信してコールしてきたのか。
ナッツ
場に出ているカードで形成し得る最強の役。これを持っていたら絶対に勝ってるから降りる必要はなく持っているチップを全部賭けていい。
ナッツになる役 | ナッツになるボードの条件 | ボード例 |
ストレートフラッシュ | 同じスート 3枚あってそれがストレートを形成し得る | QJT32 での AKs |
4カード | 場にペアがある。フルハウスはナッツじゃない(自分が一枚押さえている場合はナッツになる。A9883 で A8 を持っていると AA がナッツ) | A9883 での 88 , QQQJ9 での QX |
フラッシュ | 場にペアがない、かつ同じスートが 3枚ある | 同一スート3個 での AXs |
ストレート | 場にペアがなく同じスート 3枚ないが、ストレートは形成し得る | AK987 での JT 上ストレート |
3カード | 場にペアがなく同じスート 3枚なくストレートもできない。トップポケットペアがナッツ | K9832 での KK |
※ただしペアボードでもフラッシュの中で一番強い Aハイフラッシュをナッツフラッシュと言ったりはする
自分の開幕オールインはそんなムキムキの奴だけがコールしてくる。開幕オールインは多くの場合、小銭をスチールして、たまに全部取られて終わる。めっちゃポーカー下手です。
じゃあ逆に自分がナッツなら相手のチップを全部取れるか
例えば K98 というボードでフラッシュあり得ないなら、現時点では KK がナッツになる。K は 4枚しかないので、自分がナッツである KK を持ってしまっているとすると、相手はナッツを持っていない。相手は一体何を思ってコールにおよぶのか。
- 俺が最強だああああああああッ(下 3カード、ツーペア、オーバーペア、トップペアトップキッカー)
- ナッツじゃないのに最強だと思って相手がコールしているなら、全部取れるかも
- 相手もこっちがナッツ持ってるとはわからないわけだから、ツーペア 98 やオーバーペア AA を持ってたらこっちのトップペア(AK や KQ)からしこたま取ってやろうと思ってプレイしている。勝ってると思ったら基本降りない
- 要するに相手も強いがこっちはもっと強いという噛み合った状況の具体例。これは稼げる
- 現時点では最強ではないが、最強のカードになる目がある → ドローハンド
- フラッシュドローなんて持ってたら額によるが基本降りない
- JT のオープンエンドストレートドロー (OESD) もかなり面白い
- 現時点では最強ではないが、相手も弱そう、ヒットしてなさそう → トップペア~ボトムペア、ポケットペア、Aハイ
- 2発 3発打たれたらきつくなってくるけど、フロップの 1発目はまあコール
オールインでは降りる。でも額によっては降りない。じゃあコールしてくれるちょうどいい額とはナンボなのか。
ポットオッズ
ポットを取ろうとしてベットをするとコールする側にオッズが発生する。
競馬などのギャンブルでは、勝ったときに何倍になって払い戻されるかを示す値としてオッズが表示されているが、ポーカーにおけるポットオッズはそれと同じ。
ベットされたときって、はじめのうちはそれをコールして勝つとどれぐらい儲かるのか全然ピンと来ないが、図解すると以下のようになる。
pot額の 1/2 ベットされたということは、pot を 2等分したうちの 1個分をベットしてきたので、自分も 1個出してコールするという状況。
- 1個払ってコールして勝つと 4個返ってくる(3個純増する)
- この勝負は倍数のオッズで言うと 4倍、比形式のオッズでいうと 3:1 のオッズと言える
- 3回負けて 3個失っても次の 1回勝てば 3個返ってくる
- つまり 4回に 1回勝てばトントンの勝負
- 必要勝率は 1/(3+1) で 25%
- つまり 4回に 1回勝てばトントンの勝負
相手にベットされたときそれをコールするかどうかを判断する際、リスクとリターンが合っているかを確認したい。オッズを理解することで、ベットサイズを使ってリスクとリターンの比を求め、コールするにあたって手札にどれぐらいの勝率が必要となるかがわかるようになる。いろいろなベット額と、コールする際に課される必要勝率は下表のとおり。
ベット額 | コール必要勝率 | オッズ比表記 | 備考 |
2×pot | 2/5 (40%) | 1.5:1 | |
3/2pot | 3/8 (37.5%) | 1.7:1 | |
1×pot | 1/3 (33.3%) | 2:1 | |
2/3pot | 2/7 (28.6%) | 2.5:1 | |
1/2pot | 1/4 (25%) | 3:1 | |
1/3pot | 1/5 (20%) | 4:1 |
(※ 1/3, 1/2, 1× pot 以外は UI にないので手動で調整して打つ)
とにかく重要なのは、常にポットの額に対する割合でベット額やコールするかどうかを考えること。ベットするときは相手にオッズを課すことになる。そしてベットされたときは課された必要勝率よりも自分の手札の勝率の方が高かったらコールした方が得になる。
現在の勝率!?!???!!???
自分の現在の勝率なんかわからんのよ!わかったら勝てるんよ!!
超上級者なら以下の計算を頭の中でやって勝率を割り出せるらしい
- 相手のポジションとプリフロップでのアクションから手札のレンジを推測する
- 今のボードで相手のレンジ内に自分の役より強いものが何種類あるか
- 100% - 相手の方が強い組み合わせ数 / 相手レンジの全組み合わせ数 =現在の勝率
できるわけがない。でもできないなりに現時点での勝率を推測する方法はある。
- 一つはフロップ編で書いた 1/3 ヒット法。ヒットしているならヘッズアップなら自分が勝っている可能性は少なくともフロップ時点では 2/9(22%) はありそう。これは相手の 1/3 bet 以下のベット額ならコールできそう。1/2 bet は少しきついが、他の要素も加味すればコールできなくはない感じ(バックドアドローがあるなど)
- もう一つは、ドローになっているとき。ターンかリバーでフラッシュが完成するとしたら、自分が勝っていると言えそう。ドローが完成する確率を計算するには、アウツを数える。
アウツと引ける確率
アウツは自分の役を進展させるために必要なカード。要するに麻雀で言う「待ちの枚数」。毎回多種多様なアウツがあるわけではなく、ドローハンドの種類によって枚数はほぼ固定されている(複合ドローは考える必要がある)
- 基本のドロー
ドロー名称 | アウツ | 備考 |
フラッシュドロー | 9枚 | 自分の手と場を合わせて 4枚同一スートがある。そのスートの残りは 13-4= 9枚。引ければフラッシュ完成 |
OESD(待ちが2種) | 8枚 | 自分の手と場で JT98 など。この場合、7 か Q の 4×2= 8 枚がアウツになる。引ければストレート完成 |
ガットショット | 4枚 | 自分の手と場で AQJT など。この場合、K の 4枚がアウツになる。引ければストレート完成 |
- 主な複合ドロー
フラッシュドローかつ OESD | 15枚 | 9+8=17 だが OESD のアウツ 8枚中 2枚はフラッシュのアウツとかぶっているので差し引く |
フラッシュドローかつ 2オーバー | 15枚 | 662 ♣♥♥ で手札 AKs♥ など。フロップ ♥♥♥、手が AKo ♥♠ だと、K の ♥ がフラッシュのアウツとかぶっており -1(14枚) |
OESD かつ 2オーバー | 14枚 | KQ 持って JT2 など。A、9 の 8枚、K、Q の 6枚 = 14枚 |
フラッシュドローかつガットショット | 12枚 | QTs♥ 持って AJ5 など。♥ 9枚、K4枚だが K♥ がかぶっているので -1 の12枚 |
- 自分が見えてないカード全部を対象とする。フロップ時点の場合、自分の 2枚、場の 3枚を 52枚から引いた 47枚が、ターンとリバーでめくれるかもしれないカード。相手が A 持ってそう……とかは基本考えない(可能性高いなら考えてもいい。絶対に A が無いと入ってこない人が相手など)
多くの場合、アウツが引ける確率と現在の勝率は等しくない。
- 引けても相手がさらに上で勝てない場合がある
- 98s で Q か 7 が引けたらストレートだが、実際 Q が来たら相手が AK だった(QJT を挟んで上ストレートに負けた)
- A5s の 1オーバーフラドロでフラッシュが引けたら勝ちだが、A が引けても相手が AJo でドミネイト負け
- 引けなくても勝てる可能性がある
- 自分の手札の方が強く、ブタ同士だと勝ちになる
- そもそもワンペアがすでにある
- 時と場合によりけりすぎるので一概には言えないが、フロップ時点でトップペアの場合 60~80%, ミドルペアでも 30%~50%、ボトムペアでも 20%~40% は勝率があることが多い
- なのでペアかつフラッシュドローとかになっているとめちゃ強気にプレイできる
アウツが引ける確率は「引けなかったら絶対に負けだけど、引けたら絶対に勝ち」という状況限定で、現時点の勝率と同じになる。だからほとんどの場合、全然現在の勝率じゃない。とはいえ、AXs のようなナッツフラッシュドローであれば、引けたらほぼ勝てるので、「少なくともフラッシュ引ける確率以上の勝率はある」と言え、相手の手札が見えない中で状況判断の参考にはなりそう。"ティルト*1" っちまってるときは "アウツ" を数えて落ち着くんだ……。
次の一枚を争うための引ける確率
ターン時点で、リバーで引けるかどうかの確率(比の表記)、釣り合うベット額(とポットオッズ)、そのアウツ数の代表的なドローハンドを下表に示す。
- 式は アウツ/46。なので、ターン→リバーで引ける確率。フロップ→ターンは アウツ/47 なので表の数値より少し少なくなる(そんなには変わらない)
アウツ | 引ける確率 | 比表記 | 釣り合うベット額 | 代表的なドロー |
15 | 32.61% | 2.07 :1 | 1x pot (2:1) | ▲フラッシュドロー かつ OESD か 2オーバー(※2) |
14 | 30.43% | 2.29 :1 | 3/4 pot (2.3:1) | ▲OESD かつ 2オーバー |
13 | 28.26% | 2.54 :1 | 2/3 pot (2.5:1) | |
12 | 26.09% | 2.83 :1 | ▲フラッシュドローかつガットショット | |
11 | 23.91% | 3.18 :1 | 1/2 pot (3:1) | |
10 | 21.74% | 3.60 :1 | ||
9 | 19.57% | 4.11 :1 | 1/3 pot (4:1) | ▲フラッシュドロー |
8 | 17.39% | 4.75 :1 | 1/4 pot (5:1) | ▲OESD |
7 | 15.22% | 5.57 :1 | ▲ガットショットかつ 1オーバー | |
6 | 13.04% | 6.67 :1 | 1/6 pot (7:1) | ▲2オーバー → トップペア |
5 | 10.87% | 8.20 :1 | (☆1ペア → 2ペアや 3カード) | |
4 | 8.70% | 10.50 :1 | ▲ガットショット、☆2ペア→フルハウス | |
3 | 6.52% | 14.33 :1 | ▲1オーバー → トップペア | |
2 | 4.35% | 22.00 :1 | (☆ポケペア → 3カード) | |
1 | 2.17% | 45.00 :1 | (☆3カード → 4カード) |
- ※1 (☆)はすでにワンペア以上あるときのアウツ、ドローハンドではない
- ※2 フラドロ かつ OESD アウツ 15 はスーテッドの場合。オフスートの場合 14
アウツを引ける確率の比表記は、山札中の「要らんカード:要るカード(1)」の比ともいえる。要らんカードがめちゃんこ入ってる山から要るカードを引き当てる勝負。ポットオッズは「勝ったときの純増分:負けたときの純減分(1)」の比。なので比表記で 1じゃない方の数値が 「ポットオッズ>アウツ引ける確率」だと得な勝負になる。
フロップ時点での、ターン~リバー通して引ける確率
フロップ時点でリバーまでに引ける確率も下表に示す。
- 式は 100% - ターンで引けない確率×リバーで引けない確率
- 釣り合うベット額は、フロップでコールされたらあきらめる場合のみ有効
アウツ | 引ける確率 | オッズ表記 | 釣り合うベット額 | 代表的なドロー |
15 | 54.12% | 0.85 :1 | フラッシュドロー かつ OESD | |
14 | 51.16% | 0.95 :1 | フラッシュドロー かつ 2オーバー | |
13 | 48.10% | 1.08 :1 | OESD かつ 2オーバー | |
12 | 44.96% | 1.22 :1 | フラッシュドローかつガットショット | |
11 | 41.72% | 1.40 :1 | ||
10 | 38.39% | 1.60 :1 | 2x pot (1.5:1) | |
9 | 34.97% | 1.86 :1 | 4/3 pot(1.85:1) | フラッシュドロー |
8 | 31.45% | 2.18 :1 | 1x pot (2:1) | OESD |
7 | 27.84% | 2.59 :1 | 2/3 pot (2.5:1) | ガットショットかつ 1オーバー |
6 | 24.14% | 3.14 :1 | 1/2 pot (3:1) | 2オーバー |
5 | 20.35% | 3.91 :1 | 1/3 pot (4:1) | 1ペア → 2ペア or 3カードに発展 |
4 | 16.47% | 5.07 :1 | 1/4 pot (5:1) | ガットショット、2ペア→フルハウス |
3 | 12.49% | 7.01 :1 | 1/6 pot (7:1) | 1オーバー |
2 | 8.42% | 10.88 :1 | ポケペア → 3カード | |
1 | 4.26% | 22.50 :1 | 3カード → 4カード、バックドア(※) |
どういうベット額ならコールしてくれるか
いろんなところに貼られている表なのでここに貼る必要ないかもしれんが一応貼ったけど、このゲームやればやるほどこんな表まったく意味ないなと思ってしまう。
- 上の表のとおりだとすると 1/2 打たれたらフラッシュドローはコールできないはずなのに実戦ではバンバンコールされる
- これは運よくターンやリバーでフラッシュが揃ったとしたら逆に奪う側に回れるから、多少不利でもコールできるという考え。インプライドオッズと呼ぶ。後述する。
結局、現時点の感覚では、ベット額に対して相手がコールするかどうかは
- pot ならトップペア以上かナッツドローがある人しかコールしてくれなさそう
- 1/2 ならペアか 2重のドローを持ってたらコールしてくれそう
- 1/3 なら弱めのドローだけでもコールしてくれそう
- これらは UI にも用意されていて使い勝手がいい
- うまぶって 2/3 とか 3/4 とか打ちたいけどこのゲームではあまり見ない額なので警戒されそう
- これらは UI にも用意されていて使い勝手がいい
- 1BB は序中盤では安すぎ。もっと取りたい
特に自分がナッツ前提なら、相手に対して自分が強すぎるという状態なので、基本的にはフロップとターンは安めに 1/2 か 1/3 で刻むのがよさそう。
自然に全部ぶち込む
というわけで、フロップでナッツになっており、まくられる心配はない、というオールインできるハンドになっているのなら、教則動画にもある通りフロップ・ターンに少しずつ刻んでベットして相手を降りづらくさせてから最後にリバーでドーン!とオールインした方がいいです。最後のオールインで降りられても刻んだ分のチップは自分のものになるので。でも 1/2 とかちまちま打ってて本当に全部取れるのか? という疑問が湧く。
どれぐらい打ったらどれぐらいポットが膨らむか
ベット額は引き続き UI で用意されている 1/3, 1/2, pot のボタンを使う。打つ額別に、相手全員にコールされたときにできる pot 額と、特に HU でコールされたときにできる額は下表となる。
打つ額 | 全員コール pot額 | HU の場合できる pot |
pot | pot額 × (1+参加者) | pot 額 ×3 |
1/2 | pot額 × (1+参加者/2) | pot 額 ×2 |
1/3 | pot額 × (1+参加者/3) | pot 額 ×5/3 |
これはヘッズアップに限っての話だけど、相手がコールするなら次のベットラウンドの pot 額は、 1/2 bet なら今の額の 2倍、pot bet なら 3倍となる。1/3 bet だと、5/3 倍と計算難しくなるが、1/2 より気持ちリーズナブルぐらいの認識でよい。頑張るなら 10倍を 6で割ってちゃんと計算する。
- 1/3 打った次に pot 打ったら 5/3 × 3 で分母が消えて 5倍になりわかりやすい
- (3way なら 1/3 bet を2人ともコールしたら次の pot 額は今の 2倍になる。)
- 掛け算なので順番は関係なく、pot > 1/2 > 1/2 でも 1/2 > 1/2 > pot でも最終的には同じ額の勝負になる(プリフロップでできた pot額 ×2 ×2 ×3)
- 当たり前すぎてこんなんいちいち表にせなわからんか? って思われそう
- 個人的に脳が辞書型で計算遅いので、その場で計算するよりある程度事前に考えた型を脳のメモリにロードして使う方が体質にあってる。その分プレイ中は早く判断したい。
- 例えば、プリフロ 8BB HU になってフロップの 3枚が最高、なら 1/2 > 1/2 > pot って打ったら ×2 ×2 ×3 = 12倍で 96BB の pot ができて、半分自分の持ち出しだからショーダウン勝ってたら約 48BB 儲かる、じゃあ相手スタック 43BB だから全部取れるなって感じでざっくり考えてます。
- 考慮時間にテル*2 があるかも。打てるときはほぼノータイムで打つが、打ちづらいときや打たれたときは時間を使ってしまうという自覚はある。そういう細かい消費時間でレイズされたり降りられたりしててもおかしくない
- マルチウェイはそもそもキツいから時間を使ってちゃんと計算する
SPR ― 全部取るにあたって先立つものがあるか?
勝負するにあたって先立つものがあるかないか、というのを数値で表す指標として SPR(Stack/Pot Ratio, スタックとポットの比)がある。このゲーム、自分のライフゲージが攻撃力も兼ねてると言えるわけで、多くスタックを持っているほど最大の火力は上がるといえる。ここからどうぶち込んで全部取るか、SPR という指標により簡単に計算・計画できる。
有効スタック (Effective Stack, ES)
まだ降りていないプレイヤーのうち最もスタックが少ないプレイヤーのスタック額。自分が一番少ない場合は、オールインしたとしてもその額までしか相手から取れない。
- 自分が 40BB、相手が 50BB とすると最大でも 40BB までしか相手からは取れない。この 40BB を有効スタックと呼ぶ。
Effective Stack とか英語で言うと大げさに聞こえて当たり前だろって思う概念だけど、事前に全部取ることを計画するにあたっては意識してないといけない。
スタック・ポット比(SPR, Stack-to-Pot Ratio)
スタックの額とポットの額の比、という指標。
- 今争っているポット額の何倍のスタックを持っているか、を示す値
- 単に自分の SPR を知りたいなら、自分のスタック額を現時点のポット額で割る
- 96BB 持ってて 8BB のポットを争ってたら SPR はちょうど 12。(96/8)。
- 単に自分の SPR を知りたいなら、自分のスタック額を現時点のポット額で割る
- 今争っているポットは最大でどこまで大きくなるか知りたい
- 降りてないプレイヤーの中で最小のスタック「有効スタック額」を現時点のポット額で割る(有効 SPR ?)
- 全員がコールするなら、有効 SPR を争っている人数倍して 1足すと、最大でポットが今の額の何倍になるかわかる
- 最大ポット倍数 = 1 + S × n (1:今のポット額、S:有効 SPR、n:参加人数)
- ヘッズアップに限っての話なら、単に 2倍+1(3way 以上だとサイドポット争いがあり難しい)
- 相手 56BB、自分 100BB なら、有効スタック額は相手の 56BB
- 今フロップで 8BB のポットを争っているとすると、SPR はちょうど 7(56BB/8BB)。
- ヘッズアップなので相手のオールインに自分もその額を入れた +112BB が最大のポット額、14倍
- 今の pot 額は 8BB なので 8+112=120BB になる。 15倍(つまり 1 +7×2 倍)
- 今の 15倍のポットを作るには 1/3 > pot > pot の順に入れたらいい(8BB × 5/3 × 3 × 3)
今争っているポットは最大で今の何倍まで大きくできるのかについて、有効 SPR を計算すると簡単に求まるのがえらい。
- スタックが 20BB ちょいぐらいの微妙な量のとき、1/2 ずつ打ってたらいつの間にかスタックがなくなっててリバーで 2BBぐらいの気まずいオールインをすることがあると思うが、SPR を意識しながらプレーすることでそういうことがなくなり、いつでも自然に全部ぶち込むことができるようになる
ポーカーで使用されている指標は難しすぎるものや、まやかしとしか思えないものも多いが SPR はガチでポーカーチェイスにおいて簡単で役に立つ値。
- たぶん、「争うポット額 = 1 」として考えて一般化しようとする指標については有効なものが多いと思う。
- SPR の定義自体が「有効スタック額」と現在争っているポット額の比とされていることが多い。以下単に SPR と記載する
ポーカーチェイス 時間経過によるスタック(BB)の減少
SPR が試合中どのような値をとるかについて見ておきたい。まずは、時間経過によりスタックBB数がどのように減っていくか確認する。
初期スタック(ステ2と3=10000、ステ4=15000、ステ5=20000、ステ6=30000)をキープできているときの時間経過(ブラインドレベルアップ)によるスタック BB 数の減少を下表に示す(1BBチップ列は単位チップ数、それ以外は単位 BB)。
経過時間 | 1BBチップ | ステ2と3 | ステ4 | ステ5 | ステ6 |
0~3分 | 200 | 50.0 | 75.0 | 100.0 | 150.0 |
3~6分 | 280 | 35.7 | 53.6 | 71.4 | 107.1 |
6~9分 | 400 | 25.0 | 37.5 | 50.0 | 75.0 |
9~12分 | 560 | 17.9 | 26.8 | 35.7 | 53.6 |
12~15分 | 780 | 12.8 | 19.2 | 25.6 | 38.5 |
15~18分 | 1100 | 9.1 | 13.6 | 18.2 | 27.3 |
18~21分 | 1640 | 6.1 | 9.1 | 12.2 | 18.3 |
21~24分 | 2500 | 4.0 | 6.0 | 8.0 | 12.0 |
24~27分 | 3800 | 2.6 | 3.9 | 5.3 | 7.9 |
27~30分 | 5700 | 1.8 | 2.6 | 3.5 | 5.3 |
8BB pot HU でフロップ突入でも 1/2 > 1/2 > オールイン(1pot ちょい) で 50BB 入っちゃうことは上で見てきた通り。スタック 50BB切ったらマジ手で全部入れることを見据えてプレイする。50BB 以下になると中盤戦と言えるかもしれない。
その分類だとステ2、ステ3は開幕からいきなり中盤戦になる。ステ3 ぐらいのとき開幕からオールイン狙われるのがイヤで、もうちょい一緒に卓を囲もうよって思いながら降りてたけど、今考えると開幕からこちらの 50BB全部取ろうという意識の高いムーブだったとも言える。オールインマンはポカチェ玄人だと認識を変えた。
スタックごとの目安 SPR
SPR は分母がスタックの額なので、毎回変わるから厳密な値は出せないが、大体の目安としてヘッズアップの 2bet pot*3 なら 8BB、3bet pot なら 20BB ぐらいで見積もっておけばいいというのはある。上の経過時間の表と合わせて、どのあたりが勝負どころかを決めておいたりできる。
上表で見た BB 数はフロップ時点ヘッズアップときどのぐらいの SPR になっているかを表にする。
- プリフロップ 3BB(6人いるときの初期ポットは BB+SB+(6人のアンティ 0.25×6)= 3BB)
- 2 bet HU ポット 8BB(6人いるときは BTN 対 BB で 3BB オープンだとフロップ開始時に 8BB になる)
- 3 bet HU ポット 20BB(6人いるときは BTN オープン対 BB 9BB 3bet だとフロップ開始時に 20BB になる)
- 4 bet HU ポット 56BB(適当)
使用した式
- プリフロ(SPR= スタック / 3BB)
- 2bet HU (SPR=(スタック - 3BB) / 8BB)
- 3bet HU (SPR=(スタック - 9BB) / 20BB)
- 4bet HU (SPR=(スタック -27BB) / 56BB)
スタック | プリフロ | 2betHU | 3betHU | 4betHU |
150.0 BB | 50.00 | 18.38 | 7.1 | 2.2 |
100.0 BB | 33.33 | 12.13 | 4.6 | 1.3 |
71.4 BB | 23.81 | 8.55 | 3.1 | 0.8 |
50.0 BB | 16.67 | 5.88 | 2.1 | 0.4 |
35.7 BB | 11.90 | 4.09 | 1.3 | 0.2 |
25.6 BB | 8.55 | 2.83 | 0.8 | ― |
18.2 BB | 6.06 | 1.90 | 0.5 | ― |
12.2 BB | 4.07 | 1.15 | 0.2 | ― |
8.0 BB | 2.67 | 0.63 | ― | ― |
5.3 BB | 1.75 | 0.28 | ― | ― |
ヘッズアップになっている場合、「最終 pot が今の何倍になるか= SPR ×2 +1 」 を意識し、そのポットサイズを作るようにベットしていけばリバーまでに自然にオールインできる。SPR ごとにちょうどオールインまでいくベット額ルートの一例を下表に示す。
SPR | 最終pot倍数 | オールインルート例 |
1.5 | 4 | 1/2 > 1/2 |
2.5 | 6 | 1/2 > pot |
3.5 | 8 | 1/2 > 1/2 > 1/2 |
4.5 | 10 | 1/3 > 1/2 > pot |
5.5 | 12 | 1/2 > 1/2 > pot |
7 | 15 | 1/3 > pot > pot |
8.5 | 18 | 1/2 > pot > pot |
- SPR 1.5 以下なら 1発で全部入れてもいい
- SPR 3以下なら 2発で全部入る
- SPR 6以下なら 3発で無理なく入る
- 3bet pot ならフロップで 1/3 bet でも十分だと言われる理由は、ほぼ SPR 6以下になっており結局リバーまでに全部入るから。
- ステ2~3開幕の 50BB は 3bet pot HU ならフロップ時点の SPR は約 2.1。約 5倍にすればいいので 1/3 > pot オールインで全部入る
- ステ5 開幕の 100BB は 3bet pot HU ならフロップ時点の SPR は約 4.6。約 10倍にすればいいので 1/3 > 1/2 > pot オールインで全部入る。
- ステ6 開幕の 150BB でも 3bet pot HU ならフロップ時点の SPR は約 7.1。約 15倍以上にすればいいので 1/3 > pot > pot オールインで全部入る。
- もちろん全部入れないことも可能。全部入れるのと最小限入れてあとはチェック進行、の両方の可能性を残せるから 3bet ポットのフロップの CB は 1/3 でいい
- 当たり前だが早いラウンドから大きく打つほど、最終的に大きいポットを争えるしスタック全部を取りあう勝負ができる
- プリフロップにて強い手札で 3bet をする最大のメリット。稼ぐという観点を重視するなら、AA のようなプレミアが来たのにプリフロップ 3bet しないでコールに止めたりしてたらもったいない、と言われるのがよくわかる
- 2bet pot とは全然違う。だから AA はプリフロップでコールしても強いけど能動的に全部取りに行くなら是非 3bet したい。
- プリフロップにて強い手札で 3bet をする最大のメリット。稼ぐという観点を重視するなら、AA のようなプレミアが来たのにプリフロップ 3bet しないでコールに止めたりしてたらもったいない、と言われるのがよくわかる
全部取られるのを防ぐ
以上までで、フロップ時点で最高のハンドをゲットできたときに全部ぶち込んで大きく稼ぐ方法を習得できた。格ゲーで言ったら「飛びや起き攻めで打撃が通ったとき最大コンボがスムーズに出せる」程度の効能を得られる。3つのベットラウンドを使って速やかに効率よくチップをポットに全部入れられるってことは、序中盤からでもリーサル見えてるってことだから地味に強い。
ただし、「フロップ時点でナッツ」かつ「それがリバーまで絶対にまくられない」前提で、コールしてくれそうなラインで全部ぶち込むことができることができるようになったに過ぎない。実戦ではそうはいかない。
- リバーまでにまくられる
- 強いけどナッツじゃない
- 2ペアだけど全部ぶち込んでいいですか?
- ワンペアどうしたらいいの?
- 3発打たれるのが見えててコールできますか?
- 弱いけど引けたら強い
- 引けなかったらどうしますか
実戦では全部ぶち込めるフロップはなかなか来ないから、打たずにチェックしたり、ドローを引きにコールで踏み込んで引けなかったら降りたり、みたいな押し引きが必要になる。押し引きについて書こうと思うが長くなり過ぎたのでここでいったん切る。
つづく
*1:ティルト, tilt:精神的に熱くなったり怯えたりして冷静かつ合理的な判断ができなくなってる状態。ポーカーでよく使われる
*2:テル, tell:ポーカーを打つ際の癖のこと。リアル対戦だと表情やしぐさなどいろいろあるが、ネット対戦だとベットサイズと考慮時間とスタンプぐらいしかない?
*3:Single-Raised Pot, SRP, プリフロップで 1回だけレイズされて他はコールしかしてないポット(要は3betしてないポット)を英語では Single-Raised Pot, SRP、と呼ぶらしいが、より重要な SPR(スタックポット比) という用語に対するノイズとしかいいようがないぐらいややこしい。ダサいけど 2bet pot と呼ぶ方がかなりマシと思う。本エントリではそうする