うほぅ

糞日記

ポーカーチェイスメモ・プリフロップ編

前回に続いてポーカーチェイスのメモ。
2枚の手札が配られた直後であるプリフロップでのプレイについてより詳しい内容を記載する。

プリフロップで何をするか

配られた二枚の手札を確認してベットアクションをするラウンド。フォールドするか、レイズやコールしてゲームに参加するかを決める。

  • 場のカード(コミュニティカード)はまだ一枚もない。まずプリフロップでゲームに参加しないと場のカードは見られない。
  • UTG>HJ>CO>BTN>SB>BB の順でプレイする。後の順番ほど、ほかの人のアクションも判断材料にできるので有利。

プリフロップでやることは以下の通りシンプル。

  • 自分に回るまで誰もレイズしていない場合
    • オープンレイズできる!
    • 手札が弱ければ降りる
  • 自分に回るまでに誰かがレイズした場合
    • 手札が弱ければ降りるのが安定
    • コールで参加する
    • レイズで積み増す(3bet)

オススメ!

このゲームでは「オススメ!」と表示される通りレイズしたりフォールドしていたら普通に適切なプレーをできる。だから勉強する必要はあまりない。
のだが、何をやらされているのか理解しておくことで、相手の意図がわかったり、多くの状況に対応できる。

オープンレイズ

最重要プレイ。プリフロップで最初にレイズすること。単にオープンでも通じる。
この言葉がないと、「BTN のとき、プリフロップで UTG, HJ, CO まで全員降りたので、A5o と若干弱めのハンドだったけど 3BBレイズした」と、いちいち状況説明がくどくなる。
「A5o だったけど BTN だったし 3BBのオープンレイズした」、で上のニュアンスが全部含まれる。

  • 3BB で打つのが普通だが、2.5BB で打つことも考えられる。3BB 打って 5回オープンする額で、2.5BBなら 6回でき 多く参加できる。個人的には UI にワンタッチで 2.5BB 打てる機能がなくて面倒くさいから 3BB でいいと思う。
    • 手札の強弱で額を変えない。強いと 3BB、弱いと 2BB とかやってると読まれやすくなる。ただし序中盤は 3BB、終盤は 2BB という変え方は可。終盤は 1BBの価値がめちゃ大きいから。
相手にオープンされたら
  • 相手にオープンレイズされたときは勝ち筋があるならコール、相手より強いと思うなら後述の 3bet。自信がないなら降りる。初心者のうちは降りるのが一番期待値高かったりする。
    • 誰がオープンレイズをしたか毎回覚えておくのが初心者脱出の近道。ショーダウンまで見れたら、どんな手札でオープンしたのか、コールしてたのかを観察する

リンプ

プリフロップは BB が強制的に 1BB bet した状況で始まるが、それにコールする形で 1BB 払って参加すること。リンプイン、リンプコールとも。
オープンレイズできる状況であえてしないで参加というプレー。基本的には以下2つの理由で悪手。

  • 勝ったときの報酬が安くなりがち。プリフロップ時点で全員リンプしてやっと 6BB にしかならない。3BB オープンしてたら 3人の参加で 9BB 以上になる
  • ほぼ確実に後ろから 3BB レイズされる。それをコールできるほど強いなら最初から 3BB 払ってオープンレイズで参加したほうがよかった
    • それもコールできないほど弱いなら最初から降りたほうが 1BB 吸われないで済む

ただし所持スタック 10BB未満になる終盤はオープンレイズすると後ろからオールインが飛んでくるので、それをコールできない手札でオープンできない。3BB 吸われたら痛すぎ。
そうはいってもオールイン受けられるハンドが来るまで降りてたらブラインド代だけでカスカスになるのでリンプインして安くフロップ見ようよって誘うのも一つの手かも。

相手にリンプインされたら

相手にリンプインされるのはありがたい。自分が BB のポジションにいるならタダでプレイできてラッキー。リンプせず普通に強い手札で 3BBレイズしても、勝ったとき取れる額がいつもより多い。

スチール

オープンレイズで自分の後ろ全員をフォールドさせて SB と BB が強制bet したブラインド料をかすめ取りに行くこと。
主に BTN のとき SB, BB に対して、SB のとき BB に対して行う。成功すると 1.5BB 得するので、次の一周分のチップが賄え、終盤であるほど大きいプレー。
BTN, SB でオープン可能なときはしょぼい手札でもスチール目的でオープンレイズを考えたい。
逆にスチールに対して SB, BB 側がコールすることをディフェンスという。

  • 左の 2人がこちらのオープンにおとなしく降りてくれる卓はかーなりプレイしやすい!

3bet (リレイズ)

誰かがレイズしたところにさらに掛け金を釣り上げてレイズすること。特にプリフロップで 3BB で誰かがオープンしたところに後ろから 9BB とか打つこと。額は 3倍額が一つの目安。
3bet は UTG が不利な理由の一つで、3bet にコールや 4bet できないなら搾取される。3bet してくるかもしれない奴が後ろに 5人もいるのが弱点。

  • UTG 3BB オープンレイズ>HJ降り>CO コール>BTN 9BBにレイズ(3bet)>SB降り>BB が 30BB をオールイン(4bet)> UTG どうしますか?
    • 普通に考えると 3bet してきた人は相当強いハンドっぽいけどそれに序中盤から 4bet オールインできる人はいよいよ AA とか持ってそう。
    • こんなもん A8s ぐらいの普通の手札ではかなり不安だから降りるわけだけど、最初にレイズした 3BB はフロップの 3枚を見ることもなく吸われる。

これを防ぎたいなら UTG や HJ など行動順が早いポジションでは後ろからレイズやオールインが来ても受けられるハンドでしか参加できない。なので、その危険を承知で UTG がオープンレイズしてきたのであれば AA KK QQ AK など、いわゆるプレミアムハンドを持っているのではと警戒される。

  • とはいえ、9人制でリアルマネーで打ってる人たちの知識ではそうなんだけど、このゲームでは UTG でも普通にスーテッドコネクタとかでオープンする人が多い。相手がどういう手札で入ってるかは観察が必要
相手に 3bet されたとき

相手に 3bet されたときは序中盤スタックに余裕があれば降りでいい。3BB がまだ安いので降りてもあまり痛くない。が、降りれる人と思われると弱いハンドで 3bet されるようになるので頻繁にやられるならどっかでマジレス必要となるかも(オールイン可能なハンドで 4bet またはオールインする)
スタック 15BB 以下となる終盤はそもそも全部オールイン辞さないつもりでオープンレイズする。

リンプから 3bet(アリ?)
  • リンプは悪手と書いたが、UTG などからわざとリンプインして 3BB にレイズさせ、もう一周回ってきたときに大きく 3bet する人がいる
    • AA クラスを引いたが全員に降りられると楽しくないので、みんなの参加状況を見てから額を釣り上げたい?(UTG は普通には 3bet した pot を作れない弱点がある)
    • つまりプリフロップの行動順を BB より後にするためにリンプしてると思われる。と考えるとリンプに乗っかる人がいない卓ではアリなのか?
スクィーズ

スチールに似たプレイで、3bet で全員フォールドさせてオープンレイズ料とコール料を奪いに行くこと。通常、誰かオープンレイズ>誰かコール>大きく 3bet(スクイーズ)、という順で 3人目以降が仕掛ける。スクイーズという名前は真ん中のコールした人をオープンした人と 3bet した人で挟んで絞るというイメージが由来。
この場合、全員降りたら少なくとも 8BB は絞り取れるので中盤成功すると大きい。スクィーズされると考えると、オープンレイズに軽々しくコールできなくなる。
このゲームでは、シルバー帯までは人類みなリンプファミリーだし、スクイーズを仕掛けても誰も降りないのでめったにされないが、ステV だと結構ある。一人がやるとみんな狙いだす。

主導権

プリフロップで最後にレイズしたプレイヤーはフロップで主導権を持つ。イニシアチブともいう。ポジションと並んで重要な概念でありアドバンテージ。主導権を持つ人をアグレッサーと呼ぶ。
オープンレイズや 3bet をするメリットの1つ。また、リンプをするデメリットの一つ。オープンしていれば主導権を得られたかもしれなかった。
具体的には次のエントリのフロップの項目に後述する。

レンジ

適当過ぎたので書き直した(22/07/15)

レンジとは

ポジションごとに、どれぐらい範囲の強さならオープンしていいか、コールしていいか、3bet するか、などをあらかじめ決めておく。
レンジ表という 13×13 の表をポジション別にまとめたものを、めちゃくちゃいろんな人が公開している。細かい人は BTN の 3bet コールレンジ、とかまで決めているらしいので ポジション×(オープン、3bet、4bet)×(レイズ、コール)で 36枚ぐらいアプリとか使って作ってるのだろう。
このゲームでは、運営も公式のレンジ表を公開しているので、以下にリンクを張る。

オープンレイズできるとき

このゲームでは「オススメ!」機能があるので、それに従うならゲームが用意してくれたレンジ表を使って打っている状態になり、それでいいと思う。

  • 早いポジションであればあるほど、より強いハンドで参加する。以下 2点の可能性が上がるため
    • 後ろにいるプレイヤーが参加してくる(勝率が減る。50%→33%→25%……)
    • しかも自分より強い手札が配られているかも(3bet される。4bet を用意)
      • BTN や SB のポジションなら後ろに 1~2 人しかおらず、広い手札でオープンできる

poker-chase.com

  • リンク先にオススメ機能がどのような仕様でオススメしてくるか記載されている
    • 最初の表のあたりはチップが残り少ないときのオールインおすすめの条件
    • 【表 OR1】:UTG、HJ のオープンレンジ
    • 【表 OR2】:CO, BTN のオープンレンジ
    • 【表 OR3】:SB のオープンレンジ
  • UTG と HJ、CO と BTN は同じオススメを使っている
  • オープンレイズとフォールド、どちらもオススメ、というゾーンが存在する
    • UTG なら降り、HJ ならレイズ、というような使い方も可能
    • BTN や SB の場合は左のブラインドポジションの人たちがどの程度ディフェンスしてくるかで調整するのが普通かも
  • もし 2人飛んだ場合、4人のポジションは BB、SB、BTN、CO となる
    • プリフロップに最初に行動するポジションは、後ろの人数によらず Under the Gun と呼ばれるためややこしいが、オープンレイズするレンジは後ろの人数が多いほど強い範囲に絞る。後ろが 3人なら CO のレンジでオープンしていい。
先にオープンされたとき

このゲーム、難しいのは先にオープンされていたとき。オススメもされないし(これもオススメされたら考えることがなくなるけど)。

  • 相手もオススメに従っているのなら、オープンしてきたポジションで手札の範囲(レンジ)が類推できる。上のリンク先の表でレンジを把握できていると強い
    • 相手の多くに勝っているほど強いなら、3bet するのが得!!
    • そうでないのなら、降りるのが丸い
  • 自分が BB にいるなら、そこそこの強さがあればコール可能
    • 後ろに人がいないので 3bet される危険がない。すでに 1BB 払っているのでコールで安く参加できる
    • 特に相手が BTN, SB なら結構弱いハンドでもスチールを狙ってくる。この場合は A7o とかそこそこのハンドでも心強い。
      • プレイに自信があるなら、本当に毎回スチールしてくる相手にはミドルのスーテッド(J7s)やオフスートのコネクタなど(98o など)も使って広くディフェンスする(相手も広くスチールしている)
      • でも自信がないなら BB でも降りていい。プレミア級や上位ポケットペアを待ってオールインをかぶせるとよい
BB 以外のポジションでコールする

BB 以外のポジションでは基本的にコールでの参加は難しいプレイになる

  • まだ 5~6人卓にいるとき、BB 以外のポジションでのコール参加は基本的には損。3BB 捨てるつもりで
    • 後ろからスクィーズもされる
    • 3betしなかったので相手からは「プレミア級のハンドは持っていない」と思われる。主導権もなく、フロップ以降もベットされやすい
      • じゃあプレミアでもコールすればいいじゃん、と思うかもしれない。それも状況によってはアリだが、そんなに強いなら基本的には 3bet をした方が大きなポットが取れるため、コールにとどめるのはもったいないプレイとされる。
  • 特にプロップ以降ポジションがない SB では 3bet できないなら参加しないのが安定。基本的に SB ではコールしない
比較的コールに向いているハンド
  • ポケペア (AA-99),88-22
    • 3カード狙いはもちろん、すでにワンペアできていることから、フロップ以降、相手が明らかにヒットしてなさそうなら相手のベットにコールしやすい。
    • 上位ポケペアは 3bet に使いたいので悩ましい
  • 上位スーテッド AXs,(KXs)
    • ナッツフラッシュができたら逆転。K だとナッツにならないがフラッシュなら十分強い
    • A があり、ブタでも強い方なのでコールも比較的しやすい
  • スーコネ JTs-54s、1ギャッパ J9s-64s
    • フラッシュやストレートができたら逆転。
    • 87s-54s はスクィーズを仕掛けられてもワンチャンある。3bet に多い AK に対して QJT のボードになったとき降りられるから(JTs や 98s だとツーペアやストレートができたとき AKQJT の上ストレートにモロに突っ込むリスクがある)
  • 特に UTG オープンや 3bet には、ポケットペアか、相手が AA、AK だとしてもワンチャンあるハンドでコールしたい(コールするなら)
    • AA のベット全部コールしきって勝てたらめちゃ儲かる。ロマン手札
    • ダメそうだったらすぐ捨てられるかどうかもポイント
強いけど意外と状況によってはコールに向いてないハンド
  • 中位以下の AXo( A7o など)
    • UTG、HJ からのオープンに対してドミネイトされている可能性が高く、かなり不安(UTG は少なくとも A9o、レンジ内の Aの割合も高い)
      • そうなるとフロップ以降のベットに対してもコールしづらく、プレイが難しくなる
  • 微妙な絵札 2枚(KJo, QJoなど)
    • UTG~CO のオープンに BTN からコールするなど、レンジが近いとき、フロップ KJT などがめくれると、自分はツーペア、相手はストレート・フルハウスだったりする
    • またはその逆でめちゃくちゃチップ取れるときもあるけど、めちゃくちゃ取られるときもある感じでプレイ判断が超難しい
  • このあたりは残り 2~4 人だと普通に強いのでコールもできる
    • BTN や SB は広くオープンする人なら 96s とか J7o とかでも入ってくる。KJo あったらめちゃくちゃ強い

まとめ

まとめると、オープンした人のレンジ、3bet した人のレンジで相手の手札の範囲を類推して、こちらのアクションを決めるとよい*1
レンジは固定ではなくて、対戦する他の 5人のプレイに合わせて変化させる必要がある(アジャストという)

  • みんなが参加したがる卓では、本当に強いハンドに絞って参加した方がいい
  • みんなが参加を渋る卓では、弱いハンドでもオープンした方がスチールで稼げる可能性が高い

プリフロップでのプレイ方針を簡略化すると、慣れるまでは以下でいい

  • オープンできるなら、オススメ通り 3BB レイズ
    • 3bet されたら降りでいい。でもプレミアハンドなら 4bet する。AA ならオールインまで突っ張る
  • すでにオープンされていたら(難しい)
    • 全ポジションでプレミアハンドが配られたとき 3bet(AA-QQ, AK, AQ, なんかいい感じ!)
    • それ以外は基本降りていい。でも BB ならコールするか考える
    • BB でそこそこの手札が配られたときコール(頑張ってディフェンスする)
    • BTN でコールに向いた手札が配られたときコール(しなくてもいい)

言うて、ランクマは序中盤でへこんでも終盤オールインじゃんけんすれば勝てます。なので特に序盤はある程度好きにプレイできる。

上記までの知識で普通に場に溶け込むことはできそう。以下はプリフロップの細かい話。

オープンレイズ額について(必要勝率)

大きい額でオープンするほど必要となる勝率は増える。10BB 打って負けたら激痛だが、2BBで負けても懐は痛まない。と考えると当たり前だが、3BB レイズは妥当なのか、数字を出してすっきりしようと思った。
勝率=ハンド。対ランダムハンドとの勝率がいろいろなサイトで公開されている。要は高い額でオープンするならある程度以上強いハンドが必要。オープン額を減らすほど、弱いハンドでも参加できるようになる。しかしながら、前述の通り、ハンドの強さでオープン額を変更すると手札を読まれるだけなので、3BB などに統一するわけだが、マジで 3BB がベストなのかという疑問がわく。
すでにブラインドが払って pot に入っている 1.5BB を取るために、3BB のオープンレイズを打つ行為は、1BBでコールすればいいところを、さらに 2BB 積み増すというムーブになる。
少し不思議だが、積み増し分の 2BB で、元から入っている 1.5BB + 自分のコール分 1BB + 自分のレイズ分 2BB を取りに行く計算になる。
2/4.5 = 4/9 = 44% の勝率があれば長い目で見ると収支がトントンになる。

オープン額ごとの必要勝率と、ランダムハンドを相手にその勝率を満たす手札を下表に示す。6人とも参加したときと、3人降りて 3人になったときに勝率を満たすハンドを記載した。2人になるときは前回記述したヘッズアップの勝率の項を参照。

オープン額 必要勝率 6way 3way
2BB 28.57% AA-TT,AQs+, 強そうなの全部
2.5BB 37.50% AA-QQ 加えて JJ-55, AXs, A5o+, K6s+, K9o+, Q8s+, J9s+,T9s など
3BB 44.44% AA-KK 加えて QQ-77, A9s+, KTs+, AJo+
4BB 54.55% AA-TT
5BB 61.54% AA-QQ
6BB 66.67% AA-KK
7BB 70.59% AA
10BB 78.26%

※ + 記号はそれ以上のハンド、K9o+ であれば KQo, KJo, KTo K9o の 4つ

実際にはコールしてもらうことで pot が膨らむので、必要勝率が薄まることから、上表以外のハンドでもプレイ可能。しかし、フロップ以降も勝とうと思ったら費用はかかるし、そもそも相手もランダムハンドではないので勝率はあればあるほどよい。ポジションにもよるし、手札に関してはオススメやレンジ表にしたがって打つのが無難。

  • 2BB でオープンすると懐が痛まないのでどんなハンドでも入れるが、以下 2点で損
    • 後ろから 3BB に 3bet されて主導権だけ取られるリスクがある
    • 参加者が多くなってしまい勝率が下がる
      • ただし参加者が多いと少ない持ち出しで pot は膨らむので勝てたらおいしい
  • 2.5BB は割と広いハンドでオープンしても必要勝率を満たしていて多くオープンしたい人にとって便利なムーブとわかる
  • 4BB 以上は高い勝率が必要。ただし、高くベットすることで参加者が減りヘッズアップにできる可能性は上がる。
  • レイズの前にリンプインがいると普通にオープンレイズするより pot が大きいので、必要勝率が下がる
オープンレイズにコールする

3BB のオープンにコールで参加するときの必要勝率も考える。同じ計算で、3BB 払って 4.5BB + 自分の 3BB を取りにいく。この場合、必要勝率は 40% となる。
この計算で、オープンレイズの額ごとに 1人、2人、3人がコールする場合の必要勝率を下表にまとめる。

オープン額 コール1人目 2人目 3人目
2BB 30.77% 23.53% 19.05%
2.5BB 35.71% 26.32% 20.83%
3BB 40.00% 28.57% 22.22%
4BB 47.06% 32.00% 24.24%
5BB 52.63% 34.48% 25.64%
6BB 57.14% 36.36% 26.67%

大きいオープン額ならコールする人へも高い勝率を課すことができるが、複数人がコールすることで pot が膨らみ、著しく必要勝率が薄まる(計算間違えてたらごめん)。なのでみんなコールしてたら自分も下位スーテッドコネクタなどのロマン手札でこっそり入ってワンチャン狙いたくなる。
2人目、3人目は可能なら 3bet してスクィーズしにいくのがセオリーだが、このゲームマジで誰も降りないしスタックもすぐなくなるので、そこそこのカードでは 3bet するの怖い。なので 3人コールした 4way になることもたまにある。

3bet 額(レイズ 3倍額)

オープンで考えたのと同様に、 3bet の額はオープン額の 3倍がよろしいとされているがどういうことなのかも考える。
リレイズは相手の積み増し額と同額以上積み増さないといけないはず、なので 3BB のオープンに 3bet しようとするなら 5BB(1+2+2BB) が最小リレイズとなる。5BB の 3bet ではダメで 9BB 以上打つ必要がある理由は、上記したオープン額と必要勝率の考え方と同じ。
ブラインド 1.5BB + オープン 3BB により 4.5BB となった pot を取るのに、

  • 5BB なら 2BB 積み増して、4.5BB + 自分のコール分 3BB + 自分のレイズ分 2BB を取りに行く = 2/9.5 = 21.05%
    • これにオープンレイズした人がコール 2/11.5 = 17.39%
    • これに第三者がコール 5/14.5 = 34.48%
  • 9BB なら 6BB 積み増して、4.5BB + 自分のコール分 3BB + 自分のレイズ分 6BB を取りに行く = 6/13.5 = 44.44%
    • これにオープンレイズした人がコール 6/19.5 = 30.07%
    • これに第三者がコール 9/22.5 = 40%
  • なんか知らんけど、3倍額積むと、同じ必要勝率を再現できる(1対1 のとき)
    • 必要勝率が 3BB オープンと同じ 44.44% になる
    • オープンした人とは別の対戦相手が後ろからコールするのに必要となる勝率も 3BBオープンへのコールと同じ 40% になる
      • オープンした人だけはすでに 3BB 支払い済みなので、コールの支払いは差額の 6BB だけになり必要勝率が下がる
  • 3倍未満の額でレイズすると、対戦相手たちにとっては必要勝率が 3BB でオープンするよりかなり減る。
  • つまり、3倍未満の額で 3bet すると、相手にとっては報酬だけが増えた状況となり、参加し得になってしまう(払えるスタックがある前提で)
  • よってある程度降りてほしいと思って 3bet するなら少なくとも 3倍額以上の提示が必要になる。
    • 入ってくれてよくて主導権だけほしいなら 5BB で 3bet もありだが、安いので 4bet で取り返される危険も
    • 降りてくれないのがイヤなら 4倍界王拳、5倍界王拳も考えられる。
    • 2.5BB でのオープンに 3bet する場合も、4倍の 10BB にすることで必要勝率を引き上げられる(3BB×3 と 1BB しかかわらない)

レイズ 3倍額で必要勝率同じ、は基本ムーブで、プリフロップに限らず適用可能。UI は ×2、×3、×4、オールインを用意してくれていて便利。

プリフロップ編は以上。次のエントリではフロップ以降について記述する。
つづく

*1:ギャップコンセプト:オープンするのは手札が強くても弱くても簡単だが、それに対応するほうのプレイヤーには、相手のレンジを把握したうえで、より強い手札かわかりやすい勝ち筋が必要、という考え方