ポーカーチェイス メモ・序中盤 うまぶり編
序中盤編の後編となる。全ツッパ編では序中盤であってもマジ手を引いたら 3つのベットラウンドを使ってチップを自然に全部ぶち込めると書いた。ということは相手も全部ぶち込んでくることが想定される。自分はその状況を回避したい。できれば逆用して自分が稼ぎたい。
また、全部ぶち込めない手札ではどうしたらいいのか、などを考える。もっとうまぶってプレイしていけ。
このエントリの内容
- 全部取られるのを防ぐ
- 未来の必要勝率
- ポットコミット
- 奪う側に回る
- インプライドオッズ
- 期待値を計算する
- ポットコントロール
- ○発打てるハンド
- インポジションの有利
- アウトオブポジションで対抗するには
全部取られるのを防ぐ
先にオールインされると苦しい
オールインのデメリットはもちろん、「自分のスタックが参加者の中で一番少ない場合、ショーダウンで負けると即退場となってしまう」こと。しかし、「先に」オールインすることにはそれに見合うメリットがある。
- ショーダウンでの決着を強要できる
- 相手全員から降ろす勝ち筋を奪い取る
- 先に自分がオールインしているなら、降ろして勝てる可能性は自分にしか残ってない(このオールインで相手全員が降りるかもしれない)
- 全員降ろせるなら微妙なハンドでもオールインは可能
- これは卓の誰かが「コール」って言った瞬間消える優位ではあるが、大きい
- コールは本当に勝ち目がないとできない
- 相手全員から降ろす勝ち筋を奪い取る
- のちのベットラウンドを消し飛ばしていきなりショーダウンできる
- ベットアクションをしなくてよくなるため判断ミス(主に降ろされるミス)が無くなる
- ポジションの有利不利も消え去るということ
- 相手とのスキル差もあまり関係なくなる
- ベットアクションをしなくてよくなるため判断ミス(主に降ろされるミス)が無くなる
- 飛ぶときは絶対にオールイン→ショーダウンで終わる。避けて通れない
このノーリミットホールデムという種目においてオールインというムーブ自体がかなり強く、序中盤で先にオールインされている時点でナッツ持ってる以外はかなりキツい。だからポカチェ勢はみんな落ち着いてオールインしている。できればそうなる前のどこかで降りたい。
未来の必要勝率
オールインされるとわかっているときの必要勝率
先のベットラウンドでのオールインが見えているなら、それらを全部コールするために必要となる勝率は、一発だけコールするときよりも上がる。
- 現時点で SPR 5.5、フロップで 8BB pot を 2人で争う状況とする
- 全部ぶち込んでくるとすると 1+5.5×2 で最大 12倍のサイズになる
- 主導権は相手にあり、1/2 > 1/2 > pot オールインの順にオールインしてくるとする
- コールに必要となる勝率はそれぞれ 25% > 25% > 33% だろうか?
この想定通り打たれた状況を下図に示す。
ポットオッズの計算で言うと、リバーまでに全部ぶち込まれるとしたときの必要勝率は「SPR / (SPR×2 +1) 」となる
- 前回の内容で言えば「SPR / 最終ポット倍率」ともいえる
- 図中のフロップが現在時点、そこから相手が 1/2 > 1/2 > pot と打ってくる
- 図の通りのベットとコールをお互いにするなら、コール側にとって報酬は一番上の青のチップ2 + 赤のチップ 1+2+8 になる。
- コール側にとって費用はオレンジのチップ 1+2+8 となる
- つまりショーダウンまで行くなら 13:11 のオッズとなり、コールに必要となる勝率は約 45% まで上昇する
- 小数になるのを嫌って図は 2倍の値で書いているが、ショーダウンの 13:11 のオッズは 2で割ると 6.5:5.5 となっている。リバーがオールインだとするなら、フロップ時点のポットを 1 としたときの SPR 分のチップをきっちり入れているのがわかる。
- 同様に、2発ならどうか。ターン時点、1/2 > 1/2 のダブルバレルを両方コールするつもりなら、オッズは 5:3 (=3/8)、コールするために勝率が 37.5% 必要なのではないかとも考えられる
2発、3発をコールする必要勝率
オールインされるのであれば、有効スタック額という天井があるわけだから SPR を使って必要勝率が出せた。だが、まだスタックが十分にあっていきなりオールインされない場合も、やはり 2発 3発打たれてコールして、欲しいカードが引けない、自分のハンドが改善しない、となると厳しくなってくる。
図は省略するが、UI で用意されている 1/3, 1/2, pot を未来に 2~3発打たれるとわかっているとき、それらを全部コールするために必要となる勝率を下表に示す。
2発 bet | 必要勝率 | 3発 bet 例 | 必要勝率 | |
1/3 > 1/3 | 32.00% | 1/3 > 1/3 > 1/3 | 39.20% | |
1/3 > 1/2 | 35.00% | 1/2 > 1/2 > 1/2 | 43.75% | |
1/3 > pot | 40.00% | 1/3 > 1/2 > pot | 45.00% | |
1/2 > 1/2 | 37.50% | 1/2 > 1/2 > pot | 45.83% | |
1/2 > pot | 41.67% | 1/3 > pot > pot | 46.67% | |
pot > pot | 44.44% | pot > pot > pot | 48.15% |
- 打つ順は逆になっても必要勝率同じ(1/3 > pot でも pot > 1/3 でも同じ 40%)
まとめると、だいたい 2発なら 32~45%、3発なら 40%~49% ぐらい勝率が必要となる。そのベットラウンドだけの必要勝率を見ると 1/3 > 1/3 > all-in なら 20% > 20% > !? ってなってしまうのでオッズコールだと思ってついていったらリバーでオールインされて困ることになる。
- そのベットラウンドだけのオッズと、未来に打たれるチップ込みのオッズとのギャップが、ドローを引けなかったりショーダウンで負けたりしたときにミスとして降りかかってくる??
- リバーでオールインを受けられないということは、それ以前の対応にミスがあるかも
- この計算ホンマか!?!???
- この必要勝率の計算はリバーで 1,000,000BB 打たれたとしても同額用意できるなら必要勝率は 50% を超えず、オッズは 1:1 に収束する。でもリバーはナッツでしか打ってこないとわかってるなら実際の勝率は常に 0%で、勝率50%を超える手札は宇宙や並列世界を探しても用意できない
- 「課された必要勝率以上の勝率を自分が持っていればコールした方が得になる」んだけど自分の勝率は思ったよりもはるかに少ない場合がある
- 例えば QQ は世界三位のハンドだけど、相手の 4bet レンジには AA,KK, AK しかないとわかっているならきつい。コールしてフロップが AK4 レインボーボードだと勝率は 10% も無い
- コールする側は、「こちらのレンジに必要勝率を満たしちゃうぐらい勝ってるパターンもある状況にもかかわらず、相手はそんな弱めの手札でも打ってくるかどうか」、を考えないといけない
- 結局は目安でしかなく、相手に勝ってるかどうかは毎回ボードと相手を観察して判断するしかない
- とりあえず 2発 3発打たれたらどれぐらいきついかを認識していると早めに降りる判断をしやすい
ポットコミット
自分のスタックに対してポットが大きすぎてオールインしたとしてもオッズがあってしまう状態のことをポットコミットという。オッズがあっているのだから、オールインした方が得だし、オールイン要求されたならコールする方が得になっている状態。
- コミットしやすい状況は以下の通り
- プリフロップで 4bet, 5bet になってあとに引けないとき
- マルチウェイから途中で誰か降りてヘッズアップになったとき
- 相手が降りたことで急に勝率が十分になり、ポットは 3人分以上入っててデカいことから急にコミットしやすい
- 中盤~終盤の入り口(25BB 前後)のとき 3bet するとなる
- ショートスタックで SPR が低いとき
- ポットが大きすぎるというよりは自分のスタックが小さすぎる
上記のようなケースではもう降りてもしょうがない・全ツッパするしかないという瞬間が来る。それがコミットしてしまった状態。
- 一般的には自分のスタックの 1/3 以上をポットに入れてしまったらほぼコミット。1/2 以上を入れてしまったら完全にコミットしている、といわれる
- 同じリスクを負っているのだから参加者のスタック量が近いならお互いにコミットするかも
序中盤から 3発打ってオールインする側としては、コール側に「こいつコミットしてるのでは?」と思われると逃げられやすい。
- フロップ時点で HU、100% 勝ってて有効 SPR 5.5 (最終pot 12倍)のとき、3発打って全部入れ(させ)るなら以下のどちらのラインがいいか
- 1/2 > 1/2 > pot
- pot > 1/2 > 1/2
- どちらも HU なら ×2 ×2 ×3 =12倍のポットを作成するのは前回の通り
- チョロチョロドーンだとターンまではコールされやすいがリバーで降りられやすい
- 相手のリバーコールに必要なハンドの勝率は 33%
- フロップ+ターン、でスタックの 3/11, リバーで 8/11 を入れることになる
- 打たれた方はいうて 27%(3/11) ぐらいならまだリバーで降りられる。打つ方としてもいうほど取れてないなと思う
- 後者の最初にドーン! だとフロップの pot を打った時点で少しコミットしそうになっている
- フロップ+ターンでスタックの 5/11(45%) リバーで 6/11 を入れることになる
- 打った方としては、リバーまで行けば全部取れそうな感じはある
- 打たれた方としては、リバーで相手がコミットするってわかっていてオールインされたら困るなら、ターンもコールできない
- それもわかっているならフロップの pot ベットもコールするのはきつい
- フロップで pot を打った時点で「コイツ全部打つ気か?」と思われるかも
- なるべく安く打って勝負に引きずり込みたいけど、途中で降りられたとしてもそれまでに取れている額は最大化したい
- つまり本当はフロップ~リバーを通して 1/2 or pot ではなく、その間のどこかに正解の額がある
- 打つ方からすると「100個の石を 1~5個ずつ取っていき最後の一個を取ったほうが負けゲーム」みたいな感じで、相手にオッズコールを迫りつつも相手には気づかれないようにターンやリバーでコミットするようベット額を調整して打っていけたら強い。
- 2/3 や 3/4 といった UI にない中間のベット額を取り入れてより最善を詰める意義がある
- 特に 3/4 は HU だとポットを 2.5 倍にする。1/2 > 3/4 と打つとポットを 5倍にでき使いやすい(計算が簡単で事前に計画しやすい)
- 打たれる方からするとそれを察知して早めに降りる
- 次のベットラウンドにできるポット額と自分のスタック額は計算した上でコールするか考える
相手のオールインや、オールイン要求、相手のベットやレイズで自分がコミットさせられそうな状況、そういうのに対処するために重要なのは以下だと思う
- コミットの定義は「スタックに対してポットが大きすぎてオールインされたとしてもポットオッズが合う状態」
- オッズが合うとは、コールするための必要勝率よりも自分の現時点での勝率が高い状況
- 現時点での勝率!!?!??!!!????
- 現時点での勝率が「わからない」なら、コミットしているかどうかも同様にわからないはず
- すでに pot にスタックの大半を入れてしまったからコミットしているのではない。すでに 30% 以上入れてても 50% 以上入れてても現時点の勝率がコールする必要勝率を満たさないならコミットはしてない
- わからないのにコミットっぽさを勝手に感じてオールインへのコールをするのは思考停止の捨てゲーでは?
- スタックの半分を失うとしても、ここはいったん降りて、あとで現在の勝率が明確な状況が来たらそこでオールインじゃんけんしたらいい。それで勝てばスタックは元に戻ります
- 勝ってるならコールしていい
- プリフロップなら比較的、現在勝率がわかりやすい
- 現在勝率がわかっていて、相手に課された必要勝率を上回っているならコールする
- オッズが合うとは、コールするための必要勝率よりも自分の現時点での勝率が高い状況
- 意図せずコミットしそうな状況を事前に避けるのが丸い。これは結局のところ中盤おとなしくして終盤戦に移行するという結論になりがち
奪う側に回る
ポーカーは同じぐらいのリスクを負わないとチップを取れないと書いたが、オールインをチラつかせると打つ側の方が結構有利な感じがする。
しかしながら、現実ではフロップで相手が 3カード引いてナッツでも、ターン以降でこっちがフラッシュやストレートを作れば逆転がある。相手がかまわず 3発全部打ってくれたらコールしているだけで全部取れておいしい。主導権を持たずにコールで参加したとしても、フロップでドローハンドになったらかなり面白い状況といえる。
前回の「次の一枚を争うための引ける確率」によると、フラッシュドローなら次のベットラウンドでフラッシュになる確率は 9アウツなので 1/5 程度。相手から 1/2 bet 打たれたら必要勝率は 25%(1/4) なのでオッズが合わないように見える。引けなかったらターンでまた 1/2 とか打たれるのが見えているのにコールができるのはなぜなのか。
インプライドオッズ
一見オッズに合わないと見せかけて、のちのベットラウンドで相手が突っ張ってくることまで加味するとオッズが合う状況。インプライドオッズと呼ぶ*1
- 自分がドローかつ、次のベットラウンドでほしいカードがめくれ、勝ち確になる場合
- 次以降のベットラウンドでも相手がベットしてくると予想するならそれをポットオッズに加味する
- 次以降のベットラウンドで自分がベットしたら相手がコールすると予想するならそれをポットオッズに加味する
相手にフロップで 1/2 bet をされました。自分はフラッシュドローになっています。
次以降のベットラウンドで必ずもう 1/2 bet 分は少なくとも取れるとすると、引けたときの未来の利益も加味したポットオッズは下図の通り 5:1 となり、コール必要勝率 16.7% 。相手の 1/2 > 1/2 のベットを前提とすると、アウツが 8 あるドローは オッズが合ってくる(フロップ→ターンで引ける確率は 8/47 = 17.0%。フラッシュドローだけでなく OESD もオッズが合う)。
ターンでも 1/2 打ってくるという想定でこれ。もっと打ってくれたりこっちがもっと打って取れたらもっとオッズは良くなる。ホンマかこれ??
期待値を計算する
- 自分はフロップでハートのフラッシュドロー
- 相手は主導権あり、1/2 ずつ打ってくる。フラッシュさえ引かれなければ勝ち
- 自分は ハートが引けなかったらリバーで降りる(ハート引ける確率は ♥ 1/5 とする)
- 相手は 3枚目のハートがめくれたらあきらめる
- 8BB のポットを争う。フロップで相手 1/2 bet(4BB), 自分コール(12BB:-4BB)
- ターンでハート引けた、その後チェック進行でショーダウン
- ♥ 1/5 × +12BB = +2.4 BB
- ターンで引けない、相手 1/2 bet(8BB)、自分コール (20BB:-12BB)
- リバーでハート引けた 4/5 × ♥ 1/5 × +20BB = +3.2 BB
- (引けてリバーで打っても相手は降りるので追加報酬無し)
- リバーでハート引けない 4/5 × 4/5 × -12BB = -7.68 BB 負け
- 全部足すと -2.08 BB。
- ポットを 1 とすると、やるたびに -0.26 ずつ失う
- ターンでハート引けた、その後チェック進行でショーダウン
フラッシュ引けても 3枚目のハートを見て降りられたら取れないじゃん。インプライドオッズなんてないんじゃないかと思ってしまうが、
- ハートが 3枚落ちたら全部諦める奴に対しては、こっちがドローじゃなくてどんなハンドでも 3枚目のハートが落ちたときに打ったらポットが取れる
- なのでこのハンドで稼げなくても他のハンドで薄く広く取れるかもしれない
- 実際は 3枚目のハートが落ちても相手はベットしてくる
- フラッシュ無ェんだろオラッ!! と、かまわず打ってくる
- これをコールやレイズされて初めて「も、もしかしてお持ちなんですか……?」ってなる
- より慎重な人でも、自分からはベットはせずチェックにとどめるが、ドロー側がベットしてきたときにコールはする価値があると考える人が多い(価格による)
- フラッシュ無ェんだろオラッ!! と、かまわず打ってくる
3枚目のハートが落ちても 1発まで 1/2 をコールしてもらえるとして期待値を計算する。
- 8BB のポットを争う。フロップで相手 1/2 bet(4BB), 自分コール(12BB:-4BB)
- ターンでハート引けた、相手 1/2 bet(8BB), 自分コール(20BB:-12BB)
- リバーはチェック進行 ♥ 1/5 × +20BB = +4 BB
- ターンで引けない、相手 1/2 bet(8BB)、自分コール (20BB:-12BB)
- リバーでハート引けた、相手 1/2 bet(16BB) (※)、自分コール (36BB:-28BB)。 4/5 × ♥ 1/5 × +36BB = +5.76 BB
- リバーでハート引けない。相手の bet に降りる。4/5 × 4/5 × -12BB = -7.68 BB
- 全部足すと +2.08 BB。ホンマかぁ????
- ポットを 1 とすると、やるたびに +0.26 ずつ得られる
- ターンでハート引けた、相手 1/2 bet(8BB), 自分コール(20BB:-12BB)
(※):この部分、打ちすぎの疑いがある。後述する
だから計算が合ってるとすると、まぁ……インプライドオッズはありそう……。計算が合ってるならだが……。
- 実際はフラッシュ引けても相手がフルハウスまで進化してて負ける、などのケースも必要で厳密に計算するのは大変
このようにハート引ける確率を 1/5 とする、などと雑に簡略化した前提を置いてもなお期待値を計算するのはめんどくて難しいので、実戦でこれをやるのは現実的ではない。事前に気になるところを計算しておいたり、後でミスったハンドを反省したりするために使うのが普通。有料ソフトを買えば楽に計算できるらしい。
※ 期待値を計算するにあたって、現在がフロップなら、プリフロップの出費は考えない。プリフロップで 3BB 支払い済みなら、この先勝つとしても負けるとしても明細に「参加費:-3BB」が入ってくるのは変わらないし変えられない*2。過去の出費は考えず、未来に起こることを場合分けして事象ごとの発生確率にその場合の報酬や損失を掛けて求める。それらを合算したのが期待値。
投機的なハンドとインプライドオッズ
例えば 22 のような、フロップで 3カードになってなかったらキツい思いをするが、3カードになってたらめちゃんこ取れそうなハンドがある。こういうのを投機的なハンドと呼ぶ。
フロップでポケットペア → 3カードになる確率は約 12%(8.5 回に 1回)。もしフロップで 3カードにならないのを全部捨ててたら、 8回取られた 3BB を 9回目で取り返すために 24BB プラスにしないといけない。
- コールで参加した以上、手が入ったときはしっかり取りたい
- となると HU なら 48BB ぐらいのポットが必要
- それをまっすぐに取ろうとすると 2bet HU 8BBポットなら 6倍、1/2 > pot または 3連打しないといけない
- そもそも有効スタック額が 24BB 必要で自分も相手も 24BB 以上スタックを持ってないといけない。なのでスタックを持ってない = 22 で参加するために必要なインプライドオッズがない、といういいかたもされる
- となると HU なら 48BB ぐらいのポットが必要
ポットコントロール
○回打てる/○回コールできるハンド
そういえば、プレミアムハンド(サユキがなんかいい感じって言う)は全ハンド中 3.77% 、約27ハンドに 1回 = 4周半に 1回来る。1周全降り で -3BB なので、BB額のインフレを無視すると、プレミアムハンドが来たら +12BB 以上は稼がないとプラスにならない。が、+12BB 稼ぐって結構大変で、自分のプレミアがたまたま相手の強い所とかみ合えばいいが、3bet して降りられたら +6BB にしかならない。
AQo でオープンして 542。相手もヒットしてないだろうし 3 のガットドローもあるし、3 か A か Q 引けるっしょで 1/2 > 1/2 > pot オールイン。ターン 8、リバー 9 とかで相手全部コールしてショーダウン。相手 99。
- ……。
- サユキィィィーーッ!! いい感じなんじゃあないのかぁぁぁあああぁーーーーーーッ!!
ってなることがあると思うが、こういうのを防ぐための方針として、○発打てる/○回コールできるハンド、という概念が存在するらしい。
- 「ポケットペアがフロップで 3カードになったら投機を成立させる意味でも 3発打ちたい」「QQ 持ってフロップで A がめくれたら自分から打つのはきついが 2回までならコールはある」など、「フロップ時点で持ってる役に対して、何回ベット/コールできるハンド」、みたいな言い方をする人が多い。
- これは同じ 1発は 1発でも、8BB の pot で 1/2 を打つ(4BB)のと、欲張って pot 打つ(8BB)のと、いきなり 30BB 打つのとではそれぞれ違うのだから「これぐらいの場にこのハンドならナンボまで出せる」、みたいな相場があるはず。うまいプレイヤーほどしっかりとした相場観・金銭感覚があるのではないか
- それによると、AQo の 2オーバーでは 3発打ったらダメみたいです
- これは同じ 1発は 1発でも、8BB の pot で 1/2 を打つ(4BB)のと、欲張って pot 打つ(8BB)のと、いきなり 30BB 打つのとではそれぞれ違うのだから「これぐらいの場にこのハンドならナンボまで出せる」、みたいな相場があるはず。うまいプレイヤーほどしっかりとした相場観・金銭感覚があるのではないか
逆の立場で開幕 AA フロップ AAK の 4カードできて 3回ベットして相手が全部コールしてくれたら「うおおおおおお!ナッツで 3発打って全部取りきれた!やったー!ありがとー!チップありがとー!!」ってなると思います。つまり逆に勝ってるかどうかわからんようなハンドで 3回コールするっていうのはそういうことをしちゃっている可能性が高い。
- ドライボードに限れば、大体以下のような相場観らしい(かなり適当)*3
- 3カード は 3発打てる。レイズが来ても最後までOK
- 2ペア、オーバーペアも 3発打てる。レイズが来ると怪しい
- トップペアは 2発ぐらいがいい。3発目コールは時と場合による
- ミドルペア以下は打つなら 1発で基本チェック進行だけど、コール2回まで我慢、もときにはあり
- 2オーバーも打つなら 1発。その 1発もチェックしてコール用に残したいぐらい(ターンに改善する可能性がある、ベットしてレイズされるとキツい)
- ウェットボードは後述する「スケアカード」の項を参照
少なくともトップペアからチップを取れるハンドがないと 3発打つのはきついって感じがする。
- 自分から 3発打って取られると結構罪が重い。2発ならままま、1発なら余裕って感じ
- コールするのも同じ。 3発取られると罪が重い。
- 降ろされる場合は 3発目なら 2発分のダメージなのでままま、2発目なら余裕って感じ
実際、収入の部と支出の部を見比べてみると、
- 収入
- スチール成功で +3BB, 3bet で降ろして +6BB, フロップ CB で降ろして +5BB ぐらいの儲け。
- 支出
- 一周全降り、3bet で降ろされる、フロップCB で降ろされる、はどれも -3BB
- フロップ以降の 1発目コールして負け -7BB, 同2発目 -15BB, 同 3発目 -31BB(標準的な 2bet HU フロップ以降 1/2 bet の場合)
フロップで CB 打って 5BB ぐらい増えて喜んでも、次のハンドで 3発全部コールして負けて 42BB取られて負けたら 8回ぐらい前者をやらないと元取れない。2発ならまだ -15BB ぐらいで済むなら 3回ポット取れたら戻せそう。だからワンペアぐらいのハンドだったらそんなにポットが膨らむ前に降りたり、自分が主導権を持ってるならチェックを混ぜて 2発に抑えたりした方がいい。
このゲームにおいてポットコントロールとは、チェックを混ぜてベット回数を抑制し、pot を小さく保つ方向にコントロールすることを言う。
インポジション(IP)の有利
先ほどの、自分がフラッシュドローのとき、3枚目のハートが落ちたら相手は打ってくるかどうかの話で、相手の立場で言うと、ターンでハートめくれたときに 1/2 打つのはまだ 2発目なのでまままって感じだけど、リバーでハートめくれたときは、フロップ・ターンに 1/2 > 1/2 打ってて、ハートがめくれたのにさらに 3発目を打つのは打ちすぎじゃないかという懸念がある。
しかしながら、ドロー側にポジションがある場合、主導権を持つ側がリバーでチェックしてしまうとドロー側は「弱みのチェックか?」と察知して逆に自分からベットしてよくなる。
ポジション | フロップ ♥♥ | ターン | リバー ♥ |
OOP(主導権) | bet 1/2 | bet 1/2 | x / fold... |
IP(ドロー)♥♥ | call | call | bet 1x pot |
(OOP:アウトオブポジション、IP:インポジション、x:チェック)
この状況のリバーで IP から逆にでかく打たれたら、IP がフラッシュ引いたのか、フラッシュの傘に隠れたブタなのかわからなくて OOP は非常に困る。自分から打ってた方がよかったかぁ?と悩んだり後悔するパターン。
一方、主導権を持つ側が IP だったらどうか。
ポジション | フロップ ♥♥ | ターン | リバー ♥ |
OOP(ドロー)♥♥ | x/call | x/call | x |
IP(主導権) | bet 1/2 | bet 1/2 | x |
インポジションだと野球の 9回の裏みたいに「勝ってるから x で打たずに試合終了しまーす!」って勝手にショーダウンすることが可能になる。相手の手が自分より弱かったときの利益が減るけどフラッシュ引かれてたときの損失も減る。なによりショーダウンではっきりさせることができて相手の情報も得られる。
- OOP でもリバーで自分から打てばええやんって思うかもしれないが、ドンクベットになる(主導権は ターンでも CB を打ち続けている IP が持っている)
- OOP からすると、危ない橋渡ってせっかくリバーでフラッシュ引けたのにドンク打って降りられたら 2発分しか稼げない
- リバーで取れないとターンで見込んだインプライドオッズとはなんだったのか……?ってなる
- つまりターンはマイナス期待値で突っ込んだ計算になりたまたまぶっぱが通った形
- でもチェックレイズを狙っても、IP にチェックバックされたらレイズするチャンスがない
- IP からすると、これはマジでフラッシュ引いてワンチャンコールしてくれ! でドンク打ってきたんだろうなーって思う。これは降りでよさそう
- OOP からすると、危ない橋渡ってせっかくリバーでフラッシュ引けたのにドンク打って降りられたら 2発分しか稼げない
このチェックバックがあるから IP ならワンチャン負けてるハンドでもフロップとターンはダブルバレルしやすい。野球と違うのは、続行ッ! が可能なこと。マジで絶対に勝ってる場合は、勝ってるのにまだまだ打ちます! っていうのができる。ナッツならチェックレイズされたらオールインまで行ったらいい。ありがとうございます。
- フロップで OOP はドンクなしなら、IP はチェックバック
- この動きで IP はほぼ確定でベットラウンドを 2つに減らせる
- リバーで OOP チェックなら IP はチェックバック
- IP は 9回の裏ムーブでショーダウンを選ぶ権利がある。
ポジション | フロップ | ターン | リバー |
OOP | x | (?) | (?) |
IP(主導権) | x | (?) | x |
OOP が主導権を持たないときにドンクベットしない、というセオリーを厳格に守るなら、IP は上表の通りポットが膨らむ機会をかなり減らせる。なので OOP から積極的に動かない限り、IP は自信のない手札でポットを小さく保つことができる。
でもこれだけだと、フロップで IP がチェックバックしたらハンドが弱そうだから、主導権を放棄した認定し、 OOP はターンで打って行けそうに見える。
"逆択" を用意する(レイズ)
しかし、IP はターンでベットされたらレイズを返すこともできる。
レイズは「相手のベットにコール」したうえで、そのベットラウンドのうちに 2回行動で逆に「差額をベットする」、という行動ともいえ、ベット回数として数える。
相手に課すオッズとしては、「元の pot額 + 相手の bet額 + 自分のコール額」:「自分の積み増し額(レイズ額 - 相手のベット額)」 という状況となる。
1/2 ベットに対して 3倍レイズを返した状況を下図に示す(その他のレイズも付録として例示)。
- 相手の 1/2 ベットをコール(右下のオレンジのチップ)して青い△で囲まれた 4 のポットができる
- そのベットラウンドのうちに逆に 1/2 ベットを打ち返す
- 右上の赤で示した積み増し分の 2 のチップを、△4 の 1/2 として打ち返している
- このレイズに最初にベットした人がコールするには積み増し分の 2 が必要(6:2)
- なのでポットオッズ的には逆に 3:1 のオッズを課し返した形になる
- そのベットラウンドのうちに逆に 1/2 ベットを打ち返す
- 3倍レイズしたことでフロップに打たなかった 1/2 ベット分をここで打ったことになった
- フロップでチェックバックしたにもかかわらず、ターンで 1/2 > 1/2 > pot ルートに軌道修正できた
つまり、フロップで強くなったとき、全部 CB するのではなく、一部の強い手札でチェックをすることにより、油断した相手からレイズでチップを取れるということ。しかもただ取るだけじゃなく、コールしてくれるなら全部取るルートに乗せ直すことができる。
- 一例だが、下のツーペアや下のフラッシュドローのような、十分に強いと言えるけどナッツではない、みたいな手がフロップでできたらチェックで潜って、ターンで引けたのを確認して相手のベットにレイズできる。それで相手が降りちゃってもワンチャン負けてたかもしれないハンドだしまあいいかって思える感じ。
ポジション | フロップ ♥♥ | ターン ♥ | ターン(レイズ) | リバー |
OOP | x | bet 1/2 | call | x / call |
IP(主導権)♥♥ | x | raise x3 | (bet 1/2) | bet 1x pot |
要はベットでもチェックでもこちらは強いカード持ってる可能性あるよ、どこからでも最大打てるって意味だよ、と相手にわかってもらえるとやりやすくなる
アウトオブポジションで対抗する手段
以上のように、インポジションの方が損失を減らし利益を伸ばすことが可能。ボタンでオープンすることは特に重要になるし、BB でディフェンスするのはやはり大変。しかし、アウトオブポジションで対抗する手段もいくつかある。
ターンでチェックする
アウトオブポジションに限った話ではないが、フロップ CB 打ってターンチェックすることで 2発に抑える、というポットコントロールは広く好まれている。
ポジション | フロップ | ターン | リバー |
OOP(主導権) | bet 1/2 | x | bet 1/2 |
IP(ドロー) | call | x | call |
(OOP:アウトオブポジション、IP:インポジション、x:チェック)
アウトオブポジションなら、ターンでの自分のチェックに IP もチェックバックしたらお互いワンペアぐらいの勝負になっているだろうから、それを見てリバーに打つか打たないかを決めたりできる。リバーでは役が固まるので、フラッシュやストレートがないことを確認してからベットできる。
- 何か持ってたら打ってきそうだけど相手もポットを大きくすることにそれほど興味がなさそう
- リバーのカードをタダで見ようとしてるのもなんも持ってなさそう感がある
- 逆にターンで IP から打ってきたらこっちはまだフロップで一発打っただけだから別に降りてもいい
2発で全部入るスタックしかない場合、ぶち込む気なのかコントロールする気なのかわからないのもいい。
ブロックベット
アウトオブポジションで、相手のベットを防ぐ目的で先に自分からベットすること。主導権があれば CB でもある、なければドンクベットになるケースもある。
チェックしてしまうと、相手がインポジションから大きくベットしてくるかもしれない。それをコールできないと思うとき、チェックではなく、自分から小さくベットすることで相手にコールを促す。
上記の期待値計算の項でダブルバレルしてたらリバーで 3枚目のハートが落ちてフラッシュドローにまくられたかもしれない件で言うと、
フロップ 8BB からならポット額は > ターン 16BB > リバー 32BB > ショーダウン 96BB になる。ここで、リバーで OOP はチェックではなく、1/3 ~ 1/2 (10~16BB)ぐらいのサイズで小さく 3発目を打つのがブロックベット。
ポジション | フロップ ♥♥ | ターン | リバー ♥ |
OOP(主導権) | bet 1/2 | bet 1/2 | bet 1/2 (!!) |
IP(ドロー) | x/call | x/call | (?) |
- それで降りてくれたらラッキー
- 相手がフラッシュ引いてたとしても、「もしかして上フラッシュやフルハウスがある?」と思ってコールにとどめてくれるかもしれない
- ショーダウン負けてたとしても、1x pot (32BB) 打たれてコールして負けてたらと考えると 16~20BB ぐらい損失を抑えられた
- ショーダウンして相手がフラッシュじゃなくてこっちが勝ってたらさらにラッキー(pot 打たれて降ろされてた(-15BB)のが、逆に 10~16BB プラスになる。桜木花道のリバウンドぐらい大きい
- レイズしてきたらしゃあない。降りる(これはショーダウンできず、ブロックベット分を余計に吸われて終わる。失敗。レイズは対策技)
レイズされたら降りる前提で小さく打ってショーダウンを目指す技で、成功すると言い値で次のベットラウンドやショーダウンに進める。でも知ってる相手にはレイズで返される。
- こっちも全部レイズに降りてたらナメられるのが難しい
- 逆にレイズを誘う技として使えることも
- 1/2 > 1/2 > オールイン ってしていいんだけどそれすると相手降りそう……ってときにあえてリバー小さめに打つことでレイズを誘うこともできる(ブロックベットを知って対策している相手には)
- 逆にレイズを誘う技として使えることも
プロテクションベット
相手のドローを防ぐ目的で先に自分からベットすること。主導権があれば CB でもあり、なければ OOP ならドンクベットになるケースもある。
普通に 1/2 bet しているだけでもヒットしなかった下のポケットペアなど対してターン以降のカードをタダでめくらせないという意味があるのでプロテクションになっているが、フラドロや OESD にも引くのが厳しいと思わせたいなら、もっと高めに pot とか打っていく。
- 現状十分に勝ってると言えるトップペア以上のハンドで、ノーリスクではまくらせないというベット
- スタックが残り少ないなら、プロテクションしたいと思った時点で先にオールインまである
ブロックベットは気づきにくいテクニックだが、プロテクションはベットするって普通そういう意味だよなと思って日常で打ってる感じ。
フロップ > ターンで 5倍のポットを作るベット順の例と以下前提でコール側に課されるオッズを下表に示す。
- それをコールするための「フロップ時点」のポットオッズ(と必要勝率)
- 「ターンに打たれる額がわかっている前提」での「フロップ時点」のインプライドオッズ
打つ順 | ポットオッズ | Imp. odds |
1/3 > pot | 4:1 (20%) | 9:1 (10.00%) |
1/2 > 3/4 | 3:1 (25%) | 6:1 (14.29%) |
3/4 > 1/2 | 7:3 (30%) | 4:1 (20.00%) |
pot > 1/3 | 2:1 (33%) | 3:1 (25.00%) |
どれも同じ額のポットができるが、相手に与えるインプライドオッズはサイズと打つ順でかなり差が生まれる。
- プロテクションしたいのであれば、早いベットラウンドで大きく打つ
- 9アウツのフラッシュドローを想定してギリギリを狙って斬り合うなら 3/4 ぐらい打ちたい?
- 右肩上がりで比率を上げて打つ癖があると、相手からするとターンで引けたら美味なのでフロップでのインプライドオッズをかなり良く見積もれてしまう
- 引かれても勝てるか、ターンでヤバいカードめくれたら打たないなら問題ないが、まくられに気をつけないとダメ
チェックレイズ
プロテクションベットがドンクベットになってしまうならチェックレイズした方が儲かるのはフロップ編にも書いた通り。ナッツならそこから主導権を奪い取って逆にリバーまでに全部ぶち込めたら理想
- ただし相手がチェックバックしてドローを引きにいかれると困るなら主導権がなくてもドンクでプロテクションすることは考えられる
スケアカード(scare card)
めくれたら恐ろしいカード。まくり目が実現する可能性が高まる。ナッツが大きく変わるカードと言い換えてもいいと思う。前のエントリでナッツの条件を記載した通り、スケアカードの主な条件は以下のようなもの。
- ペアボード化:今までに落ちていたのと同じカードがもう一枚めくれる。4カード、フルハウスが生まれるため明らかなスケアカード
- 両ヒットの 2ペアにとってもポケットペアにまくられている場合があり怖い
- 3枚目、4枚目の同一スート:フラッシュが生まれる明らかなスケアカード。でも A を持っていない下の完成フラッシュにとっては 4枚目の同一スートはスケアカードになる
- 参加し得るスーテッドの 1/4 が一気に序列トップに並ぶ
- 参加したポジションによっては意外と少ない(オススメUTG~HJ だと 15~21しかない)
- BTN, SB, BB は無数に持ってる可能性がある(オススメでも 41~68、人によってはスーテッド全部参加まである)
- 参加し得るスーテッドの 1/4 が一気に序列トップに並ぶ
- ストレートを完成させるカード:↑2つと比べるとあまりスケアじゃない場合も。K62 のフロップから 4 がめくれても 53 がおるんか?ってなる一方、A98 のフロップから T は明らかにスケア
- ボード 3枚で 2個欠けの場合:864、T96 など、は一種類しかストレートがない
- A がボードにあると、天地でストレートができる場合がある:AKQ54 など。JT と 32 の 2種類
- ボード 3枚で 1個欠けの場合:986 など、は 2種類。T7, 75
- ボード 3枚で 欠け無しの場合: QJT など、は 3種類ある AK, K9, 98
- ボード 4枚で、中央欠けの場合:9865 など、は 7X の 13種がストレート。 T7 が最強、あとの 7X は、ストレートにはキッカーがないので 7 を持ち合うとチョップになる
- ボード 4枚で、1,3 or 3,1欠けの場合:JT97 など、は 8X に加え KQ もストレート。3,1 の 3側に伸びる可能性がある
- ボード 4枚で、欠け無しの場合:8765 など、は T9 が最強、9X, 4X と種類が多い
- ストレートに絡むカードがボードに多くめくれるほど相手がストレートを持つ可能性はマシマシになりペア系が弱くなる
- ボード 3枚で 2個欠けの場合:864、T96 など、は一種類しかストレートがない
- オーバーカード:トップペアがまくられる。同じ数値でも AQJ-3-2 の順と J32-Q-A の順でめくれるのではプレイや結果が大きく変わる
- プリフロップ:プリフロップのナッツは AA、KK-22 が続き、AX,KX... というランクになっている。フロップの 3枚がウェットであるほど、この序列が大きく乱れる。
- フロップ 2ペアになっていたらかなり 3発打ちたい気持ちになる。そのままドライボードで終わればいいが、ターンでペアボードになったり 3枚目のハートがめくれてしまったり、3連コネクトボードになってしまったら相対的にかなり序列が落ちてしまう。そういうときは 2ペアであってもポットコントロールしたほうがいいかも。という感じ。
ナッツと主導権
プリフロップ編のレンジの項を書き直して「コールに向いている手札」を記載した。それはポケペア、AXs、スーテッドコネクタなどであるが、要するに「ナッツになりやすい手札」と言い換えることができる。主導権を持たずに参加したとしてもナッツが得られれば状況判断がめちゃくちゃ簡単になるということ。ナッツが入れ替わるカードがめくれたら打って出たり、チェックしてポットコントロールしたり降りたりするのが押し引きになる。
主導権を持っていないプレイヤーは AA-QQ(JJ-99), AK, AQ などを持っていないはず。持っていたらプリフロップで 3bet しているはずだから(そのほうがはるかに得だから)。それが主導権を持っている側が強気にプレイできる理由でもある。しかし、これらのカードを脅かすコミュニティカードがめくれた瞬間なら、主導権を持たない側が強気にレイズやドンクベットなどの手を打つことができる。お前の AA が勝つか、俺のフラッシュドローが勝つか、賭けてみるのも悪くねーーーッ!
今自分が 2ペアだとしたら、3つ目の同一スートは脅威になる。でもフロップフルハウスになっているとすると、3つめの同一スートは逆に嬉しい。相手フラッシュそろってくれ! レイズしてくれ!って願いながらベットすることになる(4カードがなければいいが……)。スケアカードがめくれることは恐怖でもあり、手札によっては大きなチャンスでもある。
まとめ
テキサスホールデムは、ポーカーチェイスはまだまだ難しい。全然わからない中、前回と今回で以下の内容について書いたと思う。
- 相手のチップを全部取るのが難しい
- 強い手札が来ても、いきなり全部オールインして誰がコールしてくれるの?
- 自分がナッツなら相手はナッツじゃないからコールしてくれない → pot が小さいうちに降りられる
- 自分がナッツじゃないなら相手はナッツのときだけコールしてくる → 全部取られる
- つまりクソデカオールイン戦法は安くしか稼げず全部失いやすい
- じゃあちょうどいいサイズって何なの? → ポットオッズ
- 強い手札が来ても、いきなり全部オールインして誰がコールしてくれるの?
- オッズが難しい
- 現在の勝率を考えたとき提示額がお買い得だとコールされる → 勝率がわからん
- 引ける確率を考えたとき提示額がお買い得だとコールされる → アウツ
- オッズに合わない額を打てばコールされない → ホンマか?
- 100BB や 150BB をいきなり全部取るのが難しい
- 勝負所はいつなの → SPR(スタックポット比)
- 100BB や 150BB ある序盤でも 3bet すれば全部取れるかも
- 50BB 以下は中盤戦。2bet でもワンチャン全部取れるかも
- 20BB 未満は終盤戦。プリフロップオールインも考える
- いずれにせよ、全部取るイメージを持ってフロップから 3発ベットする
- 勝負所はいつなの → SPR(スタックポット比)
- 全部取られるのを防ぐためには
- オールイン自体が強い → 避けたい
- 未来の必要勝率
- コミット → 自信がない手なら相手がコミットする前に逃げる
- 奪う側に回る → ドローとインプライドオッズ
- 相手が突っ張ってくるなら引けたら稼げる → ホンマか?
- 結局ナッツじゃないなら勝ってるかどうかわからんのが難しい
- 勝ってると思って 3発打って全部吸われたら悲しい → ポットコントロール
- ○発打てる/○発コールできるハンドがある。相場観
- 適度にチェックを混ぜてポットが大きくなり過ぎないようにする
- ポット取られたときリカバーできるかわからんのが難しい
- 1発なら余裕、2発打ってたらままま、3発打って取られたらきーつい(コールも同じ)
- 勝ってると思って 3発打って全部吸われたら悲しい → ポットコントロール
- 防御力はインポジションの方がはるかに高い
わからずに書いているわけだから嘘も多いかもしれない。特にヘッズアップしか想定してない記述が多いかも。それどころか俺は現在勝率がわからずにポーカーやってるので、コミットしたことがない。コミットしたことがないのにコミットについて書けるわけがない。
まあでも、序中盤降りて終盤じゃんけんじゃなくて、序盤で大きく取って中盤で優位を拡大して終盤は残った相手が全員ショートスタック。強制オールインにまで追い込んで勝つってことができたらランクマでは理想じゃん。なので勉強してプレイをよくしていこうと思って書いたってわけ。コミットっていう概念も知らなければプレイ中も意識しようがない。
- でもやっぱムズイわ
- このゲームのランクマだけやってるとポーカーの金額計算全般があまりピンと来ない。 6位になっても借金を負うわけでもなく、飛んだら 100BB 持ってまた新しいゲームを始められるから。つまり負け分を取り返すという概念があまりない(一応ランクポイントのやりとりやリングゲームならあるけど)。
- 全部取る方法を勉強してて思ったが、これブラインド料がガンガン上がるから少ないチャンスで全部取れて初心者でもプレイできてるが、ずっと 100/200 だったらうまい人には絶対勝てないだろうな。自分は相手から取れなくて、逆に自分はすぐミスして全部取られそう。
- このゲームのランクマだけやってるとポーカーの金額計算全般があまりピンと来ない。 6位になっても借金を負うわけでもなく、飛んだら 100BB 持ってまた新しいゲームを始められるから。つまり負け分を取り返すという概念があまりない(一応ランクポイントのやりとりやリングゲームならあるけど)。
正直村のポーカー
そして、以上の内容を実践したとしても、全ツッパ編の冒頭に書いた以下の弱点を克服できていない。
- 強いときだけ強気にベット・レイズしてたら干されて難しい
これを克服するにはブラフを使う必要がある。ここまでブラフという単語を一切使うことなく書いていたはず。それは不要だと思っていたから。実際ステ4 ぐらいまでは全然降りない人が多いし、しょうもないハンドでオールインして負けるぐらいなら、素直に強いときに強く打ったり、ドロー引けてまくったりした方がおもろいやん。
でも残念ながらそれではポーカーをうまくプレイすることができないみたいです。次回はブラフについて書いてグーとチョキだけ出していたじゃんけんにパーを取り入れる。
つづく